The Long and Winding Road!
それはコンサートだけではない。野球やサッカーにしても同じである。豆粒みたいな選手を遠くから見たってしょうがないでしょ。
だから今回のポールマッカトニーの東京ドームコンサートも半ば冷やかしで先行予約抽選にエントリーしただけだった。何せ一番高いシート(@16500円!)の設定しかなく、軽く普通のコンサートの倍以上だったし。
それが期せずしてゲットできちゃったからタイヘン! たまたま同じ日のチケットを手にしたという中学の同級生K夫妻と顔合わせ兼コンサート前の腹ごしらえをドームホテル内のレストランで済ませる。これで準備万端、さあこいポール状態になった。ちなみに彼は神奈川で一番大きな精神病院の院長なので、厳密には利害関係者と言えなくもないが、そんな事はこの際関係なし!
彼らは1塁側、我々は3塁側のシートだったのでここでお別れ。さあ、楽しむぞ〜!
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私がビートルズを知ったのは60年代の終わり頃だったろうか。我々の世代はある意味でロストジェネレーションだと思っている。メジャーなアーティストを知って、こりゃいいなと思ったら、しばらくするとなぜか解散してしまうのである。ビートルズ、サイモン&ガーファンクル、いくつかのプログレッシブロックグループ、国内でもフォークル、かぐや姫、グレープなどなど。
だから青春絶頂期にはすでに彼らはいなかったし、千載一遇の1966年の来日は幼な過ぎて覚えていないと来たモンだ。でもその楽曲には計り知れない影響を受けた。もちろんレコードは擦り切れる程に聴いたけど、実は一度も生で見た事がなかった。
すでにジョンとジョージは亡くなり、ポールももう70代。このチャンスを逃したら二度と生で見られないかもしれないと思うと、たとえ彼が声が出なかろうと息切れしようと構わないから会いに行くべきだと一人盛り上がって今日の日を迎えたのだった。
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大阪、福岡と回って東京ドーム。たぶん曲目は変えないだろうとは思っていたが、果たして同じEight Days A Weekから始まった。その瞬間、私は耳をつんざくような高音と腹に響いて来る重低音の渦の中へ投げ込まれた! そこにポールの全く年齢を感じさせない、いやレコードで聴いていたあの声と同じ声が耳に届いたからたまらない〜!
3曲目のAll My Lovingは大好きでカラオケでもよく歌うが、今ここでポールが、本物が歌っている〜! この時のために買ったばかりの双眼鏡越しに一緒に歌いながらすでにウルウル状態! そうだ、この音に加えてこの空気、アーティストと同じ空気の中に一緒にいる事がライブのホントの醍醐味なんだと、今になってガツンと思い知らされたのだった。
9曲目にはついについにThe Long and Winding Road〜! ビートルズナンバーで最も好きな曲を今また、本物のポールが生で歌っている〜! もはやこみ上がる感涙を抑える事は出来なかった。ああ、これが聴ければ死んでもいいと。
日本のベテランアーティストあたりは曲目数を減らしたり、MCで時間を稼いだりとさり気なく体力をカバーしたりするモンだが、ポールは何とアンコールを含めて40曲近くをひたすら歌い切ったのだ! 何という70'sだろうか。体型も昔とほとんど変わってない。いくら自分が商品の稼業と言っても、これならまだまだ10年以上はやれるかも? と感じるほど限界なんて存在しないかのようだった。
クライマックスはLet It Be、007のテーマソングLive Or Let Die、そしてHey! Judeの大合唱! 我々の周りの観客はおとなしいのか、観ているだけでほとんど歌っていなかったが、もはや沸点に達したこちとら、そんなの関係ない! 双眼鏡片手に思い切り歌ってやった。それでも大音響の中だから私の声なんて耳障りにすらならなかっただろう。
アンコールの圧巻はGet Back! この曲はKが年末の病院忘年会で演奏予定だと言っていたので、目の前で本家本元のお手本が聴けてさぞや感動した事だろう。モチロン私は大絶叫〜!
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出口混雑を避けるためにチョイ早めに会場を後にしたが、心身共にもう大満足! ドームに吹いて来る風に身を任せながら、ポールの発した熱を受け止めた身体の全てでそれを噛み締めていた。そう、人の熱さは年齢なんかじゃ測れないのだ!
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