オリンピックに見え隠れ

どうなる事かと思わされた柔道の金メダルは、女子57kg級の松本薫が闘争心剥き出しのファイティングスタイルで見事に獲得した。日本人選手の金メダル第1号もあって全国で喝采の声が上がった。さまざまな思いを抱えて燃えた彼女のスタイルには好感が持てた。

柔道は日本のお家芸と呼ばれて久しい。だがポイント制導入や度重なるルール変更などもあり、国際試合などを見ていると武道としての面影は薄くなる一方で、むしろ形を変えたレスリングのようなスポーツ格闘技という印象を強く受ける。

そんな状況の中で、柔道発祥の国というアドバンテージがどこまで存在するのだろうか?

武道としての柔道は、試合において相手を制し「一本」を取る事を至上の目的とする。だが現実の国際試合は「効果」こそ廃止されたものの、「有効」「技あり」などの技のポイントは、一方で指導などのマイナスポイントの積算と表裏一体である。延長戦はそれらを持ち越した上でのゴールデンスコア方式となる。その意味で、武道家寄りの選手が多く参加する国内試合よりもドライな部分がある。

もはや一本か否かという単純な戦いではない。

いかにポイントを積み重ね、その一方で指導を食らわないように審判にアピールするかの戦術マネジメントが勝利へのカギとなると言っても過言ではない。一本はその延長線上にある。野球で言えば、ヒットの延長線上にホームランがあるのであって、初めからホームランを狙うのが目的ではないのと同じである。

武道家らしく闘志は内に秘め、感情を表に出す事なく試合に臨むというスタイルも考えどころである。

格闘技は人間対人間の協議であるゆえ、相手の表情や一挙手一投足は対戦相手のみならず自分のモチベーションにも影響する。マナーとしての礼儀は遵守した上で、もっとアグレッシブになってもいいのではないだろうか? 凛とするばかりが能じゃないと思うのだが。

そして何が何でも金メダルもなかろう。もはや日本は金メダルが当然と言えるアドバンテージなどないのだから。

・・・・・・・

こちらもどうなる事かと思わされた体操も、内村航平が個人総合で金メダルに輝いた。

団体戦では器具メーカーによる仕様の違いに当初は惑わされた感もあったが、個人戦となれば落下などのミスもなく跳馬と鉄棒では着地もピタッと止めた。彼は言葉とは裏腹に結構ナイーブで、仲間に気を遣う団体戦よりも自分のみの世界で戦える個人戦の方がより実力を発揮できるタイプだったのかもしれない。

「北京五輪では中国チームの金メダルを羨ましく見ていた。ロンドンでは金メダルを欲しいと思った」と語っていたが、これで見事に言行一致が達成できた。おめでとうの言葉と共にリオデジャネイロでの連覇を早くも期待したい。

・・・・・・・

北島康介は残念ながら平泳ぎ100m5位、200m4位と共にメダルには届かなかった。代わって200mで立石諒が北島を制して銅メダルに輝いた。年齢的なものもあったと思うが、コーチを替えて結果が出なかった北島に、マラソンの高橋尚子の姿がダブって見えた気がした。

・・・・・・・

男女サッカーが順当に決勝ラウンドに進んでいる。

ところが、共に予選リーグの最終戦で決勝トーナメントの対戦上有利な2位通過を狙ってレギュラーメンバーを相当数入れ替えて臨んだ事にマスコミで批判の声が上がっている。奇しくもバドミントンダブルスで同じような事態が起き、無気力相撲ならぬ無気力試合として関わった4組が失格処分を受けた。

ならばいっそ、決勝リーグや準々決勝以上の試合は組み合わせ抽選でもやればいい。あるいは同ブロック同時スタートでもいい。でなければ、よりメダル獲得の可能性の高いブロックを意識的に目指すのは戦略として当然じゃないか!

ちょっと考えればわかりそうなものである。それなのに何も対策をしないからそういう試合が出るのだ。それでいて「勝たない試合」や「わざと負ける試合」に文句を言ったところで始まらないだろうよ。

オリンピックは参加する事に意義がある、なんて絵空事を未だに信じてるオメデタイ輩がいるとは思うまい。





関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

Number of Access
Since 25. Dec. 2001
Day by Day ・・・
My Profile

Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコギとウクレレを弾いて昭和を歌ったり、カラオケでも昭和を歌ったりしてます。最近は40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2に囲まれて幸せです。

もうひとつの大好きは欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経てゲルマン製装甲車のような「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

それをキッカケにBMWオーナーズクラブの「Club BMW 1(CB1)」「BMWメタボ白髪連合会」などのメンバーにもなりました。

某企業のプロフェッショナルな研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、ステージを替えて今後は頼れる薬局のOYAJIを目指したいと思います。

愛と情熱を持ってはっきりモノが言える「熱きガンコジジイ」になりたい!

Recent Comments
データ取得中...
Search
Translation
PDF Exchanger

Weather Forecast

-天気予報コム- -FC2-