二度目のメルトダウンが始まる ~その1
この強引な決定に、電力会社からの献金を受けている議員、利権の甘い汁を吸っている経済界、同じく原発マネーでウホウホの一部地元民や首長ら「原発利権ジャンキー」以外の多くの国民は怒った。そりゃそうだ。こんな事、普通の判断能力さえ持っていれば結論は一つしかない。
福島第一の事故の原因究明を目的として発足する第三者委員会(原子力規制庁)の報告を待つ事もなく、免震棟やベントフィルターの設置もなく防潮堤も不十分、おまけに真下を活断層や破砕帯が走る土地に立っている原発を安全性が確認されたと再稼働に踏み切ろうとしているのである。
「私の責任で決断する」だの「万一の際は私が責任を負う」だのの首相のセリフが全く説得力を持たないのは明々白々だ。そもそも首相は「責任」をどう取るつもりなのか? 辞任ごときなんぞ論外だ。どう考えても取りきれるワケがないじゃないか!
それまでの間、あれほど再稼働に反対の姿勢をアピールしていた橋下大阪市長も、まるで出来レースであったかのように再稼働容認へ腰砕け発言をするし、「関西電力や国、あるいは企業からずいぶんと警告され、本当に停電になったらどうするんだとかなり脅かされました。『お前は責任が取れるのか』」と嘉田滋賀県知事が驚くべき事を明かした。これで関西広域連合は一気に崩され、原発再稼働を容認する共同声明を出したのだった。
連日、全国から集まった千人単位の反対派が首相官邸や関係省庁前などでデモを行ない、ブログやツイッターなどでも盛んに反原発、脱原発の声が飛び交っている。 …なぜか原発推進、容認派の声は、反論も含めてほとんど挙がらないが。
新聞もこぞって異議を唱えた。…と思いきや、毎日は翌日の社説にもコラムにも一切取り上げずにスルー。読売、産経に至っては野田首相の決断を支持する社説を掲載する始末。
TVもヒドい。フジのスーパーニュースでは、再稼働賛成が49%、反対が43%という他のすべての世論調査とは真逆の結果を報道し、安藤優子が「野田総理が言ったように、まさに国論を二分しています」「国は安全対策は万全でないと言っています。ですから再稼働は安全対策も進めながら行なう必要があります」とのたまった。
・・・・・・・
そんな中、ここのところ原発関連のフォローが増えている私のツイッター上でちょっとした議論が巻き起こった。
発端は、群馬県桐生市議会議員の庭山由紀氏のこのツイートだった。
「献血の車が止まっているけど、放射能汚染地域に住む人の血って、ほしいですか? 」
この「汚染地域に住む人の血って、ほしいですか?」という過激な投げかけに対し、彼女の所属する桐生市議会は、今回の件とこれまでの彼女の言動も踏まえて、除名処分のための懲罰動議の提出を決定したのだった。これら一連の事態にツイッター上では賛否の声が激しく飛び交ったのだった。
私は考えはこうである。
庭山氏の言いたかった内容は理解できるが、それを表現するために用いた言葉は明らかに人を傷付けるものであり、公人としての品性品格を疑わせた。これは民主主義国家の中で、言葉を武器とする政治家としては甚だ不適当であり、自ら武器を放棄したに等しい。とはいえ、議会による除名処分もいささかやり過ぎであり、彼女からの謝罪があれば取り消すべきである。
ところが、庭山氏は謝罪するどころか、ツイッターで市議会の一人一人を名指しで批判、またまた公人としての品性品格を疑わせる言動に出たのである。本人のツイートに対するレスにも皮肉交じりの毒舌的なツイートを返す始末。もっとも、レスした方も過激な言い回しのツイートが多かったけど。
・・・・・・・
そんなやり取りを見ていたら、あるツイートが目に入った。
ツイートした本人を仮にC子としよう。C子は日頃から反原発のツイートが多かった女性で、私が何気にフォローしていた一人だった。目にしたツイートは、庭山氏を批判するツイートに対して、彼女の本質を理解していない等と異議を唱えた内容だった。
私は「問題は庭山氏が主張する内容ではなく、用いた言葉です」と前述の考えをレスした。ここから私と何度かのやり取りをしたのだが、彼女からは「事が重要なら普通の言葉で伝わるなんて理想論が出てくるのが信じられない。ひょっとしてあなたは十代?」「今の日本では彼女の表現が過激とは全然思いません。この方が通じる人もいます」と全く噛み合わなかった。
実はC子、何が気に入らなかったのか、予告もなくフォロワーである私を突然ブロックしたのである。ツイッター上のブロックとは、相手からのレス拒否はもちろん、自分の現在から過去のツイートを一切非公開にするという、相手には失礼この上ない行為だが、自分にとってはお気に入りのフォロワーだけをチョイスできるという便利機能である。
な~んだ、結局C子も自分に賛同する者だけに囲まれたい純粋無垢人間だったのか、と少々がっかりしたものだった。ある運動や思想に一心不乱に邁進している人間ほど、批判的な意見に拒否反応を起こすと聞いていたが、まさかここで体験するとは思わなんだ。
このやり取りの中で横入りして来た一人の男性がいた。仮にS男としよう。期せずして、ここからC子以上のツイート議論が展開される事になったのである。
次回、そのやりとりを記録のために掲載する。何せ私にとっては初めてのツイート合戦という記念すべき機会だったから。
~というワケで、その2へ続く
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