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リスクと感情論

政府は東京電力福島第1原発から出る処理水について、8月24日からの海洋放出開始を決定した。

昨日は全漁連会長らと官邸で面会し、処理水放出の安全性や風評被害対策について説明し理解を求めたが、これに対して福島県内の漁業関係者らは「約束は破られた」「周知が足りていない」といった怒りや不安の声が聞かれた。

問題とされているトリチウム(三重水素)は自然界にも水道水にも存在し、その濃度は0.1〜1.0Bq/Lという微量で、これはWHO基準の1万〜10万分の1の濃度で十分に安全なため誰も気にする事なく問題にもされていない。

ALPS処理水では処理直後のトリチウム濃度は14万Bq/Lとなるが、これを施設内で1000倍に希釈し140Bq/Lとして海洋放出すると直ちに海水で薄まって0.1~1.0Bq/Lとなり、自然界や水道水の濃度と同じレベルとなる。例えれば学校のプールにインクを垂らしてそのインクの濃度や水の安全性を問うようなものであろう。

これをIAEAの調査報告書の結果と共に政府やマスコミがキチンと伝えれば、少なくとも安全性に対する懸念はかなり払拭されるはずである。ましてやそれ以上のトリチウムを含んだ処理水を大量に海洋放出しまくっている中国や韓国にあれこれ言われる筋合いも無かろう。

だが、福島県の漁師は憤る。

「大臣や首相は一部の漁業関係者と話すばかりで、最後まで多くの地元漁師らと直接話して理解を働き掛けなかった。『関係者の理解なしにいかなる処分もしない』という政府の約束は破られたと思っている」

これは肝心な処理水の科学的安全性に対する理解よりも自分達のプライドを重視した発言と言っても過言ではない。はっきり言って感情論そのものである。安全性の議論で科学的根拠よりも感情論を語っては相互理解は遠のくばかりだろう。

「漁業関係者にとって処理水の放出はデメリットばかりで、買い控えは起こる」と風評被害を懸念する声も多い。

言うまでもなく風評被害は大きな問題である。これには感情論が関わるので、直ちに全国民が理解納得出来るとも考え難い。でもそれは何かの策さえ講じれば一瞬で雲散霧消するものではない。これから時間をかけて解消させてゆくべきもので、それについては消費者である国民も政府も真摯に向き合うべきなのは論を待たない。

日本サーフィン連盟福島支部長は「安全性については議論が尽くされている」としつつも「離れた場所からサーフィンをしに来る人も多い。そうした人に対する周知は足りていない」と。それを言ったらサーフィンだけでなく、海水浴やダイビングなどどこまで対象を広げれば良いと言うのか。安全性を理解したのなら、まず連盟がその周知に尽力すべきではないのか。

たとえ天変地異のせいだとしても、安全なはずだった原発に大事故が起き、廃炉までの数十年間に大量の冷却水が生じるという事実はもはや変えられない。

だとすれば、残念ながらその後処理を可能な限り迅速に進めていかなくては、再び将来的に大きな被害に繋がるリスクを抱え続ける事になる。今回の処理水海洋放出も可能な限り安全性を確保しつつ迅速に進めるべきである。それを決断した政府は評価に値する。



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Chaie<チャイ>

Author:Chaie<チャイ>
最初のWebsite開設は2001年のクリスマスのことでした。その後、紆余曲折を経てこのBlogへ引越して今に至ります。これからも日々の記録とさまざまなテーマについての意見や感想などを屁理屈コラム日記風に綴りたいと思ってます。

生まれも育ちも東京の下町です。東京タワーやチキンラーメンと同い年なので結構生きてますが、せめて精神年齢くらいは若いつもりでいたいなと。

自称「日本酒のソムリエ」のつもりでしたが、検査値との闘いの末に禁酒に踏み切り、それ以来かなり普通の生活を送ってます。

下手なアコースティックギターやウクレレを弾いて70年代フォークを弾き語ったりするのが大好きです。遂に40年来の憧れだったMartin D-28Mと80年代製のKamaka HF2などの弦楽器に囲まれる生活となって幸せです(^^)

もうひとつの大好きはコンパクト欧州車! プジョー乗りのサークル「POOB(プジョー太平洋OYAJIベルト)」の関東地区元締めなるものをやってます。

実は、足掛け10年乗って来た愛車「プジョー206XS」のミッショントラブルにより箱換えを余儀なくされ、ここでも紆余曲折を経て2010年から「BMW120iCoupe」を新たな愛車としました。

そしてさらに10年経って取り巻く環境も変化し、4枚ドアとペーパー息子のために安全装置付きのクルマの必要性が。偶然出会った「MAZDA3 FB 20S Burg-S PMG with SIG-S」を2020年から愛車に迎えました。

現役時代は某企業でプロフェッショナルな社内研修職人を目指して定期的に全国を飛び回ってましたが、2nd Stageは頼れる薬局のOYAJIを目指したいとDgSで張り切ってます。

2013年から膀胱がんサバイバーを継続してます。無病息災よりも一病息災くらいがちょうど良いのかもしれません。

とか言ってたら、2020年に肝がん発生。予防接種からのHBV感染〜暴飲暴食からの脂肪肝〜部分的な肝硬変と来ていたので特に驚きませんでした。最期は肝臓だなと覚悟も決めてたし(^^;)

幸いこれも早期で表層だったため、切除手術を経て無事に終わりました。これで「ダブルがんサバイバー」の誕生です(^^)

愛と情熱を持ってはっきりモノが言える「熱きガンコジジイ」になりたい!

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