これぞ日本人の主食じゃ!
本日初の食事は新潟県に入ってから、それもコシヒカリの産地のサービスエリアのレストランと決めていた。で、入ったのが越後川口SAのレストラン。折りしも川口産の収穫したて厳選コシヒカリのわっぱ飯に焼鮭や刺身の付いた山本益博氏共同開発の定食(¥900)があり、さっそく注文。こうしてこの旅行のもう一つの目的であるコシヒカリ巡りが始まった。
コシヒカリの銀シャリは、それだけでもちろん美味なのだが、傍らに添えてあった山北町の「藻塩(もしお)」も秀逸だった。海水と玉藻を煮込んで作った茶色の塩で、ヨウ素を始めとした多種のミネラルが豊富に含まれている古式製法塩だそうだ。これをご飯にパラパラとと掛けて食べるとまさに絶品! 米の美味さがさらに引き立ち、もうそれだけで何も要らないほどのリッパな主食へと変化した。
食後に売店に寄って、農薬や化学肥料を半分以下にした特別栽培の魚沼コシヒカリ2kg(¥1700)とも藻塩400g(¥1400)を速攻で購入。これで帰宅後の夕食の主食が決まった。
宿は日本海の海岸の前にあり、最上階10階にある眺望抜群の部屋だったのだが、結局最後まで雲が晴れず、夕日どころか夕焼けすら拝めずに夜の帳が下りてしまった。真下に広がる真っ暗な海岸線を見て、ここなら拉致られても誰も分からないだろうなと、ただただ思うばかりだった。
源泉掛け流しを中心とした数種類の風呂のうち、気に入ったのはやはり露天風呂だった。私好みの熱くないお湯にノンビリ浸かっていると、立ち上ってくる磯の香りがいかにも海辺の温泉らしい。このお湯にスベスベになる肌と共に心身が癒されていくのを:感じる。さっきまで脱衣場でごった返していた団体客が夕食のために一斉にいなくなったのもひなびたムードを盛り上げる。
その時、カミさんは高級エステの真っ最中だったが、今頃そっちも癒されている事だろう。いや、高いエステ代払ってんだから癒されてもらわなければたまったモンじゃないわ。どうも女族という生き物は、石と美容がいつでもどこでも気になるらしい。
食事は先付、舟盛り、ズワイガニ、煮魚、焼き魚、茶碗蒸し、それに牛シャブに釜飯と、決して高級食材ばかりというわけではないが、ご当地の銘酒「〆張鶴 純」の四号瓶を進ませるには申し分のないものだった。訊けば、釜飯と翌朝の朝食に使用している米は岩船産コシヒカリだという。コシヒカリ巡りも順調、ボリュームもこの私が食い切れないほどだった。最後のフルーツ盛り合わせにしても、どこぞのクラブみたいな盛りだった。完全にギブ。
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予定していた磐越道経由の裏磐梯・五色沼行きは、福島県の天候不順との予報により急遽変更。天気が回復した新潟県を寺泊に向かって南下する事にした。
着いた寺泊市場通り。世間では平日の月曜なのに、広い駐車場に観光バスも乗用車もたくさん詰めかけていた。ほぼ、どの店も魚介類の販売と魚料理の店をやっていて、お昼時だったため、我々もそのうちの一軒に入った。魚料理の店なのに、不思議と半数ぐらいの客はラーメンにズワイガニの姿茹でが乗った「元祖カニラーメン」なるものを食べていた。それって、別にカニのスープのラーメンというわけじゃなく、乗ってるカニをどけてしまえばただの「素ラーメン」なのに・・・。
まあ、ここは地元民のための市場ではなく、完全に観光市場だ。刺身と煮魚などの定食や海鮮丼モノは概ね¥2000前後はする。これ位なら東京でも同じようなレベルのものが同じような値段で食べられる。少なくとも美味くて安いワケではない。晩飯のおかず用に25cm位のノドグロ一夜干し(¥2200)を購入。
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帰宅後、さっそく魚沼コシヒカリを慎重に研ぎ、少な目の水で炊く。藻塩を小皿に少々盛って準備完了、後はノドグロが焼き上がるのを待つのみ。・・・だったけど、どうにもガマンできずにご飯に藻塩を振って一口頬張ってしまった。その瞬間、見事にあのわっぱ飯の味が蘇った! もう止まらない、たちまち一膳完食。今朝の朝食といい、ご飯を二膳以上食べたのは近年覚えが無いほど珍しい事だ。いつもは家では夕食にご飯すら食べないのだ。
そこでふと気が付いた。
昔の人はブランド米とまではいかなくても、きちんと作られたお米を釜で炊いて食べていた。その頃のご飯は、香りも味もまさに「主食」にふさわしいものだったろう。だからおかずは質素なもので十分、せいぜい焼き魚か佃煮の一つもあれば良かったのだ。だって「主食」が十分美味いんだから。日本は世界一美味い主食の国だったに違いない。それに比べて今はどうだ? 世界広しと言えど、主食が退化しているのはこの国だけじゃないだろうか。
こうなったら米にこだわり、10年使った炊飯器を新調してみるか。それでこの感動が深まるなら安いモンだ。
そういえば私が小学生の頃、親父の疎開先だった六日町に連れて行かれた時、途中で泊まった旅館のご飯がえらく美味かったらしく、あっという間に3杯平らげたらしい。その頃の食事では1杯がせいぜいだったのに。やはり美味い米はそれだけでご馳走だったのだ。
それをこの歳になって改めて認識できただけでも、走行距離800kmに及んだこの旅は正解だった。日本海に沈む夕日はまたの機会に楽しみに取っておく事にしよう。
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国民不在の自民党総裁はシナリオ通り麻生太郎氏に決まった。中国で死亡者まで出したメラミン入り粉ミルク。その乳原料を使った国内食品会社が自社品の回収に踏み切った。福岡の公園で起きた男児殺害事件の犯人は、遊びに連れて来た実の母親だった。東金の女児殺害事件が続いて起きたが、今のところ犯人は不明。朝青龍が連敗、今場所4敗目を喫し引退の危機。露鵬・白露山は弁護士共々悪あがき続行中。
世の中、主食だけに留まらずおかしな事になって来ている。