2023年が特別な年とは思わないが…。
今年(も)有名人の訃報が相次いだ。特に大物ミュージシャンが多かったようにも思う。
1月11日には1980年代にテクノブームを巻き起こしたYMOの高橋幸宏氏が脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎で70歳で亡くなった。
その約3カ月後の3月28日には、同じくYMOの坂本龍一氏が71歳で死去。死因は明らかにされなかったが、2020年に直腸がんから肺などに転移し、ステージ4と公表していた。
福島原発事故後に、自身の音楽ではふんだんに電気を使うくせに「たかが電気…」と宣った事に私は強い違和感を覚えた。
そのYMOと長年親交があった「シーナ&ロケッツ」の鮎川誠氏も1月29日に74歳で他界した。
7月7日には、日本のロック黎明期から活躍した「頭脳警察」のPANTA氏が、肺がんによる呼吸不全と心不全のため73歳で死去。
そして何よりショックだったのが、10月8日にアリスの谷村新司氏が74歳で亡くなった事だった。急性腸炎と診断され、手術を受け療養していた。私の青春の思い出のアーティストの一人だった。
さらに10月18日は「ダンシング・オールナイト」で知られる「もんた&ブラザーズ」のもんたよしのり氏が大動脈解離で72歳で死去。若かりし頃の私のカラオケのレパートリーでもあった。
翌19日にはビジュアル系バンドの草分けのロックバンドBUCK―TICKの櫻井敦司氏がライブ中に体調不良を訴え、救急搬送された病院で息を引き取った。57歳だった。
11月9日には「シルエット・ロマンス」「たそがれマイ・ラブ」が大ヒットした大橋純子氏も73歳で亡くなった。食道がんで闘病中だった。
そして11月11日。「愛は勝つ」が大ヒットした歌手のKAN氏が死去した。61歳。今年3月に日本では数十例ほどしか症例がない「メッケル憩室がん」を公表し、闘病していた。
24日は伊集院静氏が肝内胆管がんで死去。73歳。女優の川島なお美氏、柔道五輪金メダリストの斉藤仁氏、ラグビー元日本代表の平尾誠二氏も肝内胆管がんで亡くなっている。
伊集院静氏はそのギザなペンネームだけでなく、夏目雅子や篠ひろこなどの美女にも手を出して娶った事もあり、あまり良い印象を持っていなかったけど。
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こうしてみると、この訃報の数々は大物アーティストの年廻りによる偶然とも思えるが、70歳というのが一つの節目あるいは壁のようにも感じられた。
私自身も5年も経てば70歳の壁を越える年代である。根拠は無いが、昔から漠然と「オレの寿命は68歳」というイメージを持って来て、実際に近づくたびに徐々に身体は壊れつつあるものの、もちろん先の事は分からない。
気が付けば今年も残り1ヶ月少々。生きている限り、粛々と生き続けるのみである。
谷村新司が逝った。74歳、8日の事だった。かねてから腸炎療養中だったので心配はしていたが、帰らぬ人となってしまった。
彼のグループ「アリス」との出会いは高校時代でもう半世紀以上になる。大ヒット「冬の稲妻」なんて影も形もない頃である。その男らしい曲や逆に優しい曲など、それまでのフォークグループとは異色の印象を受けた。
そして青春の日々と呼応するような歌詞から、さらに人生そのものを語るような歌詞となるまでの力を彼らの楽曲が持つに至り、私の人生に欠かせない象徴となった。
「明日への讃歌」「愛の光」「青春時代」「彷徨」「今はもうだれも」「紫陽花」「つむじ風」「涙の誓い」「遠くで汽笛をききながら」「誰もいない」「チャンピオン」「ジョニーの子守唄」「何処へ」「夢去りし街角」「さらば青春の時」「それぞれの秋」「秋止符」… 挙げればキリがない。全てリアルタイムで人生を共にして来た歌たちである。
それは谷村新司ソロ活動でも同じだ。代表曲「昴」は言うに及ばず、「蜩」「冬木立」「青空」「群青」「22歳」「天狼」「玄冬記」「ひまわり」「都忘れ」「喝采」「シェナンドー河に捧ぐ」「忘れていいの」「ガラスの花」「ラスト・ソング」「サテンの薔薇」「いい日旅立ち」「三都物語」「風の暦」と、こちらも挙げればキリがないほど人生に寄り添ってくれた歌たち。
ギターを覚えた頃から弾き語りをしていた拓郎、かぐや姫などと並んで必ずアリスも含まれていた。
初めてチケットを買ってアリスのライブを観たのは改修直前の武道館だから、もう何年も前か。ファンにしては相当遅いライブデビューだったけど。
リアルタイムの憧れや象徴は自分よりも年上が多いが、彼も9つ上だったから自然であれば私よりも先に亡くなってしまうだろうとは思っていたが… 。心に穴があくというのはこういう事なんだな… 。
かくしてチャンピオンは、金木犀の咲く季節に天の昴に召されてしまった。ありがとう、チンペイ。 合掌
政府は東京電力福島第1原発から出る処理水について、8月24日からの海洋放出開始を決定した。
昨日は全漁連会長らと官邸で面会し、処理水放出の安全性や風評被害対策について説明し理解を求めたが、これに対して福島県内の漁業関係者らは「約束は破られた」「周知が足りていない」といった怒りや不安の声が聞かれた。
問題とされているトリチウム(三重水素)は自然界にも水道水にも存在し、その濃度は0.1〜1.0Bq/Lという微量で、これはWHO基準の1万〜10万分の1の濃度で十分に安全なため誰も気にする事なく問題にもされていない。
ALPS処理水では処理直後のトリチウム濃度は14万Bq/Lとなるが、これを施設内で1000倍に希釈し140Bq/Lとして海洋放出すると直ちに海水で薄まって0.1~1.0Bq/Lとなり、自然界や水道水の濃度と同じレベルとなる。例えれば学校のプールにインクを垂らしてそのインクの濃度や水の安全性を問うようなものであろう。
これをIAEAの調査報告書の結果と共に政府やマスコミがキチンと伝えれば、少なくとも安全性に対する懸念はかなり払拭されるはずである。ましてやそれ以上のトリチウムを含んだ処理水を大量に海洋放出しまくっている中国や韓国にあれこれ言われる筋合いも無かろう。
だが、福島県の漁師は憤る。
「大臣や首相は一部の漁業関係者と話すばかりで、最後まで多くの地元漁師らと直接話して理解を働き掛けなかった。『関係者の理解なしにいかなる処分もしない』という政府の約束は破られたと思っている」
これは肝心な処理水の科学的安全性に対する理解よりも自分達のプライドを重視した発言と言っても過言ではない。はっきり言って感情論そのものである。安全性の議論で科学的根拠よりも感情論を語っては相互理解は遠のくばかりだろう。
「漁業関係者にとって処理水の放出はデメリットばかりで、買い控えは起こる」と風評被害を懸念する声も多い。
言うまでもなく風評被害は大きな問題である。これには感情論が関わるので、直ちに全国民が理解納得出来るとも考え難い。でもそれは何かの策さえ講じれば一瞬で雲散霧消するものではない。これから時間をかけて解消させてゆくべきもので、それについては消費者である国民も政府も真摯に向き合うべきなのは論を待たない。
日本サーフィン連盟福島支部長は「安全性については議論が尽くされている」としつつも「離れた場所からサーフィンをしに来る人も多い。そうした人に対する周知は足りていない」と。それを言ったらサーフィンだけでなく、海水浴やダイビングなどどこまで対象を広げれば良いと言うのか。安全性を理解したのなら、まず連盟がその周知に尽力すべきではないのか。
たとえ天変地異のせいだとしても、安全なはずだった原発に大事故が起き、廃炉までの数十年間に大量の冷却水が生じるという事実はもはや変えられない。
だとすれば、残念ながらその後処理を可能な限り迅速に進めていかなくては、再び将来的に大きな被害に繋がるリスクを抱え続ける事になる。今回の処理水海洋放出も可能な限り安全性を確保しつつ迅速に進めるべきである。それを決断した政府は評価に値する。
フランスの史上3ヶ国目のW杯連覇か、アルゼンチンのマラドーナ以後36年ぶりの優勝かの大一番‼️
さらにエムバペとメッシのパリ・サンジェルマンのチームメイトでの得点王争いも見ものだ。
先制は前半のリズムを支配したアルゼンチン。21分、ディマリアが獲得したPKをメッシがゴール右下に決めた‼️ これで現時点で6得点で得点王に立ち、お膳立てが整って来た。
さらに36分、走り込んだディマリアがゴーール‼️
これで2-0‼️ アルゼンチン、いよいよ勝利に近づいたか❓
ここで前半終了。
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2-0でリードし、後半に入ってもフランスに思うようなリズムを作らせないアルゼンチン。
後半も30分が過ぎ、W杯優勝の色も濃くなったと思われた時、フランスはコロムアニのペナルティエリアへの突進によるファウルを獲得。PKだ‼️
エムバペがPKを冷静に決め、これで2ー1‼️ 勝負は分からなくなって来た。
そしてリズムを取り返したフランスは、またしてもエムバペが浮いたボールをボレーシュート‼️ ボールは低い弾道でアルゼンチンゴールに突き刺さった‼️
わずか2分で2点を取って同点だ〜‼️
試合は90分で決着せず延長へ突入。
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延長戦も一進一退する後半4分、GKロリスのこぼれ球をメッシが押し込んでゴーーール‼️ 遂に均衡が破れた〜‼️ しかもこの時間帯の得点はもはや決定的か❓
ところがところが、ここで終わらないのがワールドカップ。何と何と今度はフランスが13分にPKを獲得、エムバペが決めてハットトリック達成〜‼️ これでまたまた同点だ〜‼️
何という試合だろう。これが執念と執念のぶつかり合いというものか‼️ これはまさに死闘だ。
そしてどちらにも決定的チャンスが訪れたが両GKのファインセーブに阻まれて得点出来ず。
遂に延長も終了‼️
見事としか言いようのない史上稀に見るベストマッチと言っていいだろう。私はサッカーの試合を観ていて試合途中から感動の涙が込み上げて来たのは初めてだった。
決着はPK戦に委ねられた。
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PKはフランス先攻。エムバペ、メッシの両エースは成功。フランスの2人目をGKマルティネスが止めた〜‼️ アルゼンチンは成功してこれで2-1。
フランス3人目。これも外れた~‼️ アルゼンチンは決めた〜‼️ これで3-1。いよいよか❓
フランス4人目は成功。アルゼンチン、次を決めれば優勝だ‼️
そして決まった〜‼️ アルゼンチン36年ぶり3回目の優勝だーーー‼️
アルゼンチンそしてメッシ、おめでとう〜‼️
これで彼はマラドーナを超えるレジェンドとなった。サッカー界の大きな大きな歴史が作られた瞬間だった。
これがワールドカップの真髄なんだ。
12月5日、決勝トーナメントに進出した日本代表、前回のロシアW杯準優勝のクロアチア相手に前田大然のゴールで先制した時は、目標だったベスト8が見えた気がした。新しい景色が見えた気がした。
しかしその夢も束の間、後半に追いつかれ、延長戦でも決着せず、ついにPK戦へ。
先攻は日本。クロアチアの神GKリバコビッチが立ち塞がる。一番手南野が阻止され、二番手三笘もダメ。かなりヤバい空気が流れるが、GK権田が次を止めて望みを繋ぐ。だが四番手の吉田までが止められ万事休した。
それでもグループリーグでドイツ、スペインを破った日本代表はまさに長足の進歩を遂げたチームだったと言える。堂々と胸を張ってくれ。お疲れさまでした。
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決勝トーナメントはそのクロアチアがまたもやPK戦で何とブラジルを撃破した。神GKリバコビッチ健在。実はクロアチアはPK戦になったら負けないPK職人のチームでもあった。
そのクロアチアを破ったアルゼンチンと、今朝行われたフランスvsモロッコの勝者フランスとが決勝で激突する事が決定した。
さあ、連覇を目指すエムバペのフランスかW杯初奪取を目指すメッシのアルゼンチンか、18日は目が離せない試合になった。
それにしてもこのエムバペとメッシ、それにネイマールが同じパリ・サンジェルマンというクラブチームにいるのだから驚きである。どれだけ豪華なクラブなんだ❓
日本代表サムライブルー、大逆転の決勝トーナメント進出〜〜〜ッ‼️
ドイツに勝って「ドーハの歓喜」と讃えられたものの、コスタリカに負けて「ドーハのまぐれ」だのとバッシングされて臨んだ背水の陣のスペイン戦。
前半11分、モラタのヘッドで1点を取られ、前半にPKで先制されたドイツ戦と同じ様相を呈し始めた。
日本のディフェンダー3人がイエローカードを出された事になったが、しっかり守り切って追加点を許さず前半終了。
後半3分、堂安のシュートで早々と同点に追いつく‼️ これもドイツ戦の再現だ〜‼️
さらにこの3分後、三笘のゴールラインスレスレ(VARで認定、ほんの数ミリ)から折り返したボールに田中碧が押し込んで逆転〜〜〜ッ‼️
やった〜〜〜ッ‼️ またまたドイツ戦の再現だぞ〜‼️
この逆転シーンは後世「三笘の1ミリ」と呼ばれるに違いない。
その後はスペインに再三攻め込まれたが、その猛攻を凌いで耐えて、これまたドイツ戦と同じ長い長い7分間のアディショナルタイムを乗り切って遂に試合終了〜〜ッ‼️
おいおい、終わってみれば優勝候補のドイツとスペインを破っての決勝トーナメント進出だぞ‼️
コスタリカ戦の結果なんてどーでも良かったんだぞ‼️
これは奇跡的だけど決してまぐれなんかじゃない‼️ 第一、こんな大舞台で奇跡が二度も続かないだろ。
これが日本サッカーの実力だと胸を張れ‼️
そして長友の「ブラボー‼️」の雄叫びが今夜もドーハに響き、早朝の日本にはニワトリに代わって歓びの雄叫びが轟いただろう。
文句なしの2勝1敗勝ち点6、スペインを抜いて堂々の首位通過だ‼️
おめでとう‼️ サムライブルー‼️
起きてて良かった〜‼️ また泣けたぞ〜‼️
11月20日、遂にFIFAワールドカップ2022が開幕した。
日本は予選リーグでドイツ、スペイン、コスタリカの極めて厳しい死のグループにいる。
決勝トーナメントに進むためにはこのグループで2位以内に入らなければならないが、何せ相手のドイツとスペインは日本の遥か格上。評論家たちもドイツとスペインに引き分け以上、コスタリカに勝利が必須だと、予選突破には高い壁がある事を口にしていた。
そして迎えた初戦、相手は優勝候補ドイツ。勝てはせずともせめて引き分けに終わってくれと願ったのは私だけではあるまい。
前半、予想通りドイツにボールを支配されるが、日本のディフェンスは何とか猛攻を凌いでいた。8分、カウンターから前田がゴールを揺らしたものの、これはオフサイド。残念〜‼️
ドイツのボール支配が続く31分、ペナルティエリアに攻め込まれたGK権田が抑えに出たものの、相手に乗り掛かってしまうアンラッキーも加わりPK献上〜‼️
シュートだろうがPKだろうが1点は1点。この1点が前半から後半半ばまで大きくのしかかる。ましてやドイツ相手では、これが決勝点をも意味しかねない大き過ぎる1点。正直、それまでの試合展開からも「やっぱりな」という諦めすら醸し出すのに十分だった。
そして後半。森保監督は半ばから次々と選手交代を行い、気がつけば日本は超攻撃的なフォーメーションとなっていた。この采配がモノを言う。
その時が来た。
30分、後半から投入された堂安がゴールに詰め、GKの弾いたボールをドンピシャで蹴り込んで同点ゴーーール‼️
日本追いついた〜〜〜ッ‼️
さらに8分後、前線へのロングパスをナイストラップで受けた浅野が相手ディフェンダーの裏に抜け出してゴールライン際から角度のないところへシュート‼️
入ったぁぁぁ〜‼️
何と逆転だぁぁぁ〜〜〜‼️
ドイツ相手に奇跡を起こしたぁぁぁ〜〜〜‼️
堂安大明神、浅野大明神、そしてスーパーセーブ連発の権田大明神、ありがとう〜‼️
その瞬間、半分涙目になった私は近所迷惑も省みず雄叫びを挙げていた。
7分ものアディショナルタイムがどれほど長く感じたか。その間のドイツの猛攻も凌ぎ切って、ついについに試合終了〜‼️
日本、まさかまさかの大逆転の大金星だ〜〜〜‼️
1993年、ワールドカップ初出場を逃したドーハの悲劇と同じ地で、今度はドーハの歓喜を呼び寄せた。これぞ偉大なるジャイアントキリングだ。
これは掛け値なしに日本代表の歴史的なベストマッチ。間違いない‼️
おめでとう〜‼️ 長友の雄叫びじゃないが、日本代表ブラボーッ‼️
この勢いでコスタリカとスペインも蹴散らして決勝トーナメント進出だ〜‼️
職場で先に昼休憩に入ったスタッフが唖然とした表情でニュースを伝えに来た。
参議院選挙終盤の追い込みの最中、奈良で遊説していた安倍晋三元総理が男に撃たれた。犯人は「殺そうと思って狙った」元海自の山上徹也(41)だった。
手製の銃で至近距離から散弾を2発発砲、安倍元総理の左胸や首に当たり、ドクターヘリで奈良医大病院へ搬送されたものの、残念ながら息を引き取った。
まさか現代の日本で、銃社会のアメリカじゃあるまいし、こんな暴挙が白昼堂々為されるとは誰もが想像だにしなかったに違いない。
至近距離からの銃撃に加え、銃弾が散弾だったという一報を耳にし、さらに心肺停止と聞いて、これはかなり危ないなと思っていたが、やはり救命はならなかった。もしかしたら即死に近かったのかもしれない。
人物の好き嫌いであれ、思想信条の違いであれ、自分と相入れない人物を暴力で亡き者にするという卑劣な蛮行なんぞ断じて許してはならない。
マスコミや政治家は民主主義への重大な挑戦などと言葉をまとめているが、そんな次元で終わる話ではない。この邪な大馬鹿野郎は、それでも1人しか殺していないから極刑は免れるのか。
史上最年少総理大臣、そして史上最長政権を勤め上げた安倍晋三元総理。享年67歳は奇しくも病死した父親の晋太郎氏と同じ歳だった。合掌
2月24日、プーチンロシアが隣国ウクライナへ全面侵攻を開始した。プーチンは侵攻とは言わず軍事作戦と称しているが、明らかな詭弁であり、侵略そのものである。
独裁政治を敷いてきたルカシェンコ大統領のベラルーシもロシアの侵略を支援している。ルカシェンコは自身の立場が危うくなった時にプーチンに助けられた過去があり、それ以来ロシアに足を向けて寝られないから当然だろうが、このままこの侵略行為に引きずり込まれなければ良いが。
ロシア軍は三方向からウクライナを侵略し、東部からは侵略直前に独立を承認した親ロシアのドネツクとルガンスクに軍を進めた。また、北部からはベラルーシ経由で首都キエフへ、ロシアから直接第二の都市ハリコフへ、既に併合したクリミアから南部のオデッサ、マリウポリなどにも空爆や砲撃を行った。
これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領はキエフに留まりつつ戒厳令を発して国民に徹底抗戦と世界からの支援を呼びかけている。領土死守に燃えるウクライナ軍の抵抗により、士気の上がらないロシア軍の侵略は予定外に滞っているという。
それでもプーチンは事もあろうにチェルノブイリを始めとする原発施設を攻撃して占拠し、挙句の果てには核爆弾の使用を仄めかすなど、ウクライナどころか人類にとって最悪の事態も起こしかねない危機を呼んでいる。
一方で、市民を避難させる人道回廊の行き先を自国ロシアやベラルーシに設定したり、病院や学校への無誘導弾による爆撃など常識はずれの戦争犯罪にも及んでいる。その爆撃により日に日に死傷者の数も激増している。
昨夜、2011年に起こったシリア内戦時に医師と結婚、出産した女性ジャーナリストのドキュメンタリー映画が放映されていた。人道回廊への攻撃や首都アレッポを包囲した後の無差別爆撃にはアサド政府軍と組んだ、チェチェン紛争で名を挙げたプーチン率いるロシア軍も軍事介入をしたので、そのやり口は手慣れたモンだろう。
戦略核の使用もチラつかせるプーチンの言動に対し、NATOはウクライナが非加盟国である事を理由に軍事行為をせず静観し、アメリカも核戦争や世界大戦を恐れて経済制裁止まりの対応である。
それでもBMWなどのカーディーラー、マクドナルドやスタバ、コカコーラやペプシコなどの飲食企業、アメックスなどのカード会社や金融会社などがロシア国内から次々と撤退している。営業継続を目論んでいたユニクロも遅ればせながら営業停止したようだ。
アメリカ国防省によれば、すでに首都キエフ近郊まで迫っているロシア軍の一斉攻撃は数日内とも言われている。
このままではまだ避難しきれていない市民や残らざるを得ない市民も犠牲になり、死者負傷者数はこれまでの100倍以上に及ぶ事が確実視される現状である。
ロシア軍兵士の中にはこれが訓練だと聞かされて来た者や平和維持活動と言われて来た者もいるという。ロシア人とウクライナ人の人種の関係性は深く、言うなれば親類同士の戦いとも称される。親類相手に誰も殺し合いなんてしたくはなかろうに。
それなのにここまで無分別な命令をするプーチンの思考回路はどうなっているのだろうか。今のままでもロシアを攻めて来るはずのないNATOや西側諸国を恐れ、無理筋の理屈を弄してウクライナを敢えて侵略する大義はどこにあるというのか。
ロシア国内は反戦運動は徹底的に弾圧され、マスコミは抑圧され、国民はプーチン政権大本営発表の自己主張とフェイクニュースのみ配信され、中にはロシアは正義の戦いをしていると洗脳されてしまっている国民も多いという。例え騙されていると分かっても、口にすれば拘束されるから言えないだろうけど。
核を恐れ、世界大戦を恐れ、世界がこのままプーチンの横暴を制しなければ、ウクライナは世界が許さないはずの暴力による現状変更の犠牲となるのを座視するに等しいと言わざるを得まい。犠牲とするにはあまりにも残酷な現実が更に展開されるのは分かりきっているはずなのに。
ともあれこれでウラジミール・プーチンという名前は、かつての明晰な政治家の名前から常軌を逸した残虐な独裁者の名前として歴史に残る事になったのは確実である。
2月4日に開幕した北京冬季オリンピックも20日に閉会した。
日本は金3、銀6、銅9の計18個で、これは冬季オリンピック最多記録となった。
金メダリストは、平野歩夢(スノーボード男子ハーフパイプ)、小林陵侑(スキージャンプ個人ノーマルヒル)、高木美帆(スピードスケート女子1000m)の面々。敬意を払うと共に心からおめでとうと言いたい。
また、オリンピックの舞台で4回転アクセルに果敢に挑んだ羽生結弦や初出場で銀メダル獲得のフィギュア男子の鍵山優真は見事だった。
フィギュア女子も低年齢化によるトリプルアクセルなどジャンプ重視の中にあって、構成力で銅メダルを獲得した坂本花織は「華麗な演技」という言葉がピッタリだった。
女子カーリングも前回の平昌オリンピックの時よりも興味深く競技を見られるようになったし、お馴染みロコソナーレの面々にも親近感を覚えたし、その技術力の凄さにも驚かされた。そして何より初の銀メダル獲得を讃えたい。
そんな数々の成果の陰で、残念なシーンもあった。
スキージャンプ混合団体で高梨沙羅がスーツ規定違反で失格‼️ 彼女の着用していたのは個人戦と同じスーツで、その時は何もなかったのになぜここで❓
女子パシュート決勝で金メダル目前だった最終コーナーで高木菜那の転倒‼️ 雪辱を期した女子マススタート準決勝でまたも最終コーナーでトップの高木菜那が転倒‼️ この瞬間、彼女の連覇が潰えた。
女子フィギュアのカミラ・ワリエラのドーピング。昨年12月の検体にトリメタジジンが認められた。だが、彼女の15歳という年齢に配慮(❓)してスポーツ仲裁裁判所が演技を許したという不可解判定。
SNSあたりではそもそも中国で開催された事が問題だったという指摘もあった。重大な人権問題を抱える国で平和の祭典を開く事は率直に疑問を覚えるが、そもそも近代オリンピックは政治的な思惑を孕みつつ興行的な面が色濃いというのは、習近平にやたらに親近感を示すIOCバッハ会長の態度でも明らかである。
昨年の東京オリンピックの時は組織委員会のゴタゴタや予算の大幅超過、パクリ問題など開催国の内側からの視点でさまざまな問題点が指摘されたが、今回は開催国の外側からの視点で問題点が浮上した。結局は多かれ少なかれオリンピックの政治利用という側面はもはや必然である。
こういう現実を見るにつけ、今後は両手を上げてオリンピックを招致する国もますます限られて来るだろう。IOCが開催国を手挙げ方式から個別交渉方式へ変えたのもその危機感からかもしれない。
200種類とも言われる風邪(感冒)の起因ウイルスの中にコロナウイルスも存在している。そのコロナウイルスが毒性を高める方向で変異(製造?)したのが新型コロナウイルスである。
毒性を高める方向での変異はデルタ株でピークを極めたが、ウイルスは生存のために毒性よりも感染性を高める方向で変異した。これがオミクロン株である。
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オミクロン株の感染スピードは速く、各国であっという間に感染拡大を起こした。1日あたりの新規感染者数は日本においてもこの1月16日現在で4000人超と、昨年9月の第5波に迫る勢いである。
無料PCR検査の推進などにより徒に感染者を炙り出している側面はあるものの、デルタ株よりも速い感染拡大が見られているのは確かだろう。
ところがデルタ株までのウイルスと異なるのは、感染スピードこそ速いものの、重症化率や死亡率は格段に低いのである。ちなみに潜伏期は3日前後で、東京都における死者数はヒトケタ止まりで16日までの1週間ではゼロである。
大事を取って入院させているせいか、東京都の病床使用率は20%を超えている(重症は1%)ものの症状の軽い患者がほとんどで、発熱、咳、倦怠感、喉の痛み程度。そりゃ風邪の患者をいちいち入院させてりゃそうなるわな。感染者の半数以上が家庭内感染だという。
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これって風邪じゃないの?
風邪なら感染スピードは早いのも高齢者や持病持ちの感染が高リスクなのも当然だし、一般健常者なら重症化率や死亡率が低いのも当然である。家庭内感染が多いのも、一通り蔓延すれば収まって来るのもまた当然である。だって風邪なのだから。
連日のオミクロン株に対するマスコミ報道を「風邪」と読み替えても違和感は感じない。元々コロナウイルスは風邪のウイルスの一つだし。ならば盛んに無料PCR検査などで拾ってるのは実は風邪の患者なのではないのか。
つまり「毒性よりも感染性を優先して変異したオミクロン株は、結果として元々の風邪コロナウイルスに酷似した」という事じゃないのだろうか。感染部位もデルタ株までは下気道で、それゆえ肺炎を起こしやすかったが、オミクロン株は上気道なので重症化しにくいというのも風邪に酷似しているじゃないか。
なのに対策はデルタ株の水準を踏襲し、今日明日にも蔓延防止等重点措置を発令してまたもや飲食業を締め付け、人流を規制しようとする為政者と煽るマスゴミ。何より専門家と称する連中は警戒感のみを口にするばかりで、風邪と酷似というコメントすら口にする者はいないのはどういう事なのか。彼らは何の保険を掛けているのか。
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デルタ株までの治療を目指した抗ウイルス薬もこのオミクロン株にまで必要なのだろうか。昔から風邪のウイルスに直接効く薬はなく、風邪の随伴症状を和らげるためのものでしかない。風邪を治すのはあくまで自分の体力(免疫)である。
風邪の起因ウイルスの種類は200種類と多く、それら全てのウイルスの増殖を抑える薬剤の開発なんてどだい無理筋である。また、コロナウイルスとヒト細胞との選択毒性の問題もあるかもしれない。それが今日まで風邪の特効薬が世に出なかった理由だろう。
ところが毒性の高い新型コロナウイルスとなれば話は違って来る。その病態・予後からある程度リスクベネフィットを超越してでもその薬剤を開発する必要性は高かった。
とはいえ元々重症化しやすいデルタ株までの新型コロナウイルスをターゲットにして開発された抗ウイルス薬の効果はオミクロン株にも発揮されるにせよ、その副作用リスクとオミクロン株感染の症状とを秤にかけたら使用する必要性は高いとは言えない。
高リスク患者でもない限り、オミクロン株に感染したらせいぜい解熱鎮痛薬を持って寝ていれば良いのではないのか。風邪と同様に家庭内感染してもやがて収束するのだから。
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オミクロン株全盛の今こそ集団免疫作戦の時であり、それこそがwithコロナのあるべき姿ではないのだろうか。新型コロナの陰に隠れてスキを窺っているインフルエンザウイルスの方がよっぽど脅威だと思うのだが。
欲に目が眩んだ悪人に対して「助さん格さん、懲らしめてやりなさい!」と水戸黄門が命令し、散々暴れた挙句「助さん格さん、もういいでしょう!」と印籠を見せて一件落着するように、新型コロナ騒動も「もういいでしょう!」とばかりに経済正常化に邁進しても良さそうなモンだがねぇ。
そんな事を徒然に感じている今日この頃である。
ついに一都三県の会場に於いて無観客開催を決定した東京オリンピック。開催期間中は既に東京都で4度目の緊急事態宣言が発出されている。
ここまで節制と我慢を強いられて来た国民、とりわけ酒類販売が目の敵のように長期間に渡って規制されて来た飲食店などは、その取引先も含めてもはや乗り切る体力も残っていないような状況である。
このままでは感染防止策の名の下に日本経済が瀕死の状態に落ち込む危機が迫っている。
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新型コロナウイルス。
クローズアップされて1年半で国内累計感染者数が80万人強、統計上は未だに国民の99%以上が感染すらしていない感染症なのである。累計死者数は1万5000人弱で全感染者の中のわずか1.8%である。それも高齢者が殆どで、見方を変えればたまたま寿命を迎えたり持病が悪化したと見られる例もある。
一方で季節性インフルエンザ感染症。
毎年1000万人前後が感染し、それを直接的死因とした死亡者数は毎年3000人強、間接的死因とした死亡者数は毎年約1万人である。
ただ、新型コロナ感染症の場合は感染者数こそ少ないものの、感染すれば重症化して死に至る例や後遺症が長引く例もあり、そこがワクチンに加えて治療薬が普及しているインフルエンザ感染症とは異なっているぶん脅威と言えよう。
だが、この日本では毎日3800人程度が何らかの原因で亡くなっているという事実がある。しかも新型コロナ感染症による直接的な死因とされる肺炎は、「悪性新生物」「心疾患」「脳血管疾患」に次ぐ第4位、約11万2000人である(厚労省 2020年)。
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既に数種の変異株が認められている新型コロナ感染症をゼロにする事は全世界的にも不可能だろう。
だとすれば、どこかの時点で「withコロナ」を決断する時が来るのではなかろうか。でなければ、このまま経済を抑え込めば新型コロナ以上にもっと深刻な事態に日本が陥る事は想像に難くない。
無観客開催を決めた東京オリンピックに対し、日本よりも感染者数の多いヨーロッパに於いて「EURO2020」のように大規模なスポーツイベントが観客を入れて開催されている。
これはどういう事か?
ダイヤモンド・プリンセス号事件で話題になった岩田健太郎氏はFLASH誌の取材に以下のように述べている。
「イギリスはもう『コロナと共生していく』と態度を決めました。ワクチン接種率はかなり高いですが、毎日新たに3万人近い感染者が見つかり、毎日300人ほどが入院している。死亡者も人口10万人あたり、年換算で10人ほど出ています。
それでもガンや心臓発作に比べれば死者の割合はそれほど大きくないから『あきらめましょう』と決めたという事です。これがいいか悪いかは、価値判断の問題だと思います」
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迂闊に現政権がそんな決断をしようものなら、待ってましたと言わんばかりに野党や国民から「人命軽視だ」の大合唱が沸き起こるに違いない。
言わんや選挙を控えた与党をや。そんな勇気を持った政治家なんておそらく皆無だろう。
ならばこの闘いの終着点は何処だと言うのだろうか。ワクチンが出来、治療薬が出来、それによって感染者数が何処まで下がれば終わりと言うのか。今後さらなる変異株が出現したらまた逆戻りさせるのか。政治家ばかりでなく専門家達にもその着地点は見えているのだろうか。
決断の時は近づいている。
コロナ禍はまだまだ収まりそうもなく、大阪の新規感染者数が東京を超え全国最悪になっている。重症者受け入れ施設のベッドも足りなくなり、増床と引き換えにコロナ以外の重病患者の治療に支障を来たしている。医療逼迫と言うよりもはや医療崩壊と言ってもいい。従来型と病態も異なる変異株も猛威をふるっている。
そして先月25日、三度目の緊急事態宣言が大阪、京都、兵庫と東京都に発出された。だが去年の発出時とは異なり、このGWは東京脱出とばかりに高速道路は大渋滞という有様だ。近場の観光地も人手でびっしり、巣ごもり食材の買い出しのためか郊外のショッピングモールも大混雑で、どうやら人々は緊急事態宣言に対してワクチンよりも早く免疫を獲得してしまったみたいである。
そのワクチン接種も少ないワクチンを高齢者優先に接種が開始されているものの、肝心の接種者である医療従事者への接種も遅々として進んでいないという本末転倒。国は来月末までには高齢者への十分量を入手出来ると言っているが、それらが速やかに接種対象者へ接種出来る体制構築には疑問が残る。
そんな中で、未だに東京オリンピックを開催するか否かの本質的な議論は先送りされ、国も東京都も開催ありきの姿勢は変わっていない。確かに開催側から中止を申し入れた場合、IOCに対して多額の補償金を支払わなくてはならないから安易に口に出せないのは理解できるが、何はともあれ開催ありきでコロナ対策が左右される事態はどうなのか。
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我が家では、私もカミさんも年中無休で回している仕事に就いていて、下の息子はIT関係の仕事でとっくにテレワーク。
そんな中でもまだ家族、親族、友人、知人、同僚などにコロナ感染者が出たと聞いた事はない。これは昨年から感じていたが、新型コロナ感染症が季節性の風邪やインフルエンザとは桁の違う感染者数である故なのだろう。
私もカミさんも仕事とはいえ、これほど連日不特定多数の中を移動したり接客したりしていても感染を起こしていない(少なくとも私は入院前PCR検査で陰性だった)。だから逆に感染リスクのイメージが掴めないから、コロナ以前に比べてマスク着用以外は特に変化はなく、日常生活の上で余計なストレスは感じない。
まあ今後はワクチン接種が我々世代に順番が回って来るまでこの状態をキープしていければ良いのだろう。あるいはインフルエンザのように、大多数がワクチン接種が当たり前になったり治療薬が登場したりすれば、新型コロナ感染症はそれらの感染症と同様に人間社会に溶け込んで共存の道を辿るのかもしれない。現在までの知見を見る限り、少なくともこのウイルスによって人類が生存の危機に瀕するとは思えないから。
最近、TVCMでクレカでの払い過ぎ利息が返ってくるという、いわゆる過払金請求というのを見掛けるけど、あれはどうなのか?
本来、クレカは現金を持たないでも支払い可能な便利なものであり、現金で払った時と同じに一括引き落としが原則だ。なのに、近年の銀行のサラ金合併のせいで「リボ払い」なんてのが盛んに宣伝されている。それだけ潜在的なものも含めた利用者が多いという証左であろう。
このリボ払い、当然だが手数料という名の金利が付く。だからこれを使うと、本来現金で一括に支払う買い物をクレカに代えて一括払いするという原則が崩れ、一転、借金をして支払うのと同じ事となる。これはキャッシングでも同様だ。
いずれにせよ、その利息が法定利息より多いから、その差額を返還させようとして司法書士や行政書士などの法律事務所がCMしているわけだ。そう、今までもあったサラ金の過払金請求ビジネスと同じで、そのターゲットを今度はクレカに移したという図式である。
一方でクレカにも従来から「キャッシング」という純然たる借金方法がある。こちらの方が額が多くなりがちなので、法律事務所のターゲットとしてはむしろメインだと思われる。
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ここで考えていただきたいのは、なぜクレカ利用者は安易にキャッシングやリボ払いを使うのかという事だ。
それは、合併により銀行と身一つになったサラ金にお金を借りて払っているのと同じだという事に気付くべきである。クレカを扱う銀行、キャッシングやリボ払いを扱うサラ金は同じ穴のムジナなのである。
キャッシングであれリボ払いであれ、支払い月に残高を残して次の月に入れば、その人はまた買い物にクレカを使うだろう。何せその時には手元に現金が要らないのだから。そしてさらに返済が膨らむ悪循環。
結局、便利さに溺れて支払いを先送りにした利用者は社会問題となったサラ金利用者と同じで、業者に金利ばかりをむしり取られるハメに陥るのだ。まあ、利用者本人が納得の上でそうしているのかもしれないが、だとしたらあまりに思慮が足らないと言わざるを得ない。
たとえ過剰な利息分が返還されたって法定金利分は戻っては来ないし、戻った分も依頼した事務所の手数料に取られた残りが手元に来る過ぎない。
結局損しているのは誰か? 得しているのは誰か?
簡単な理屈だから少し考えれば分かる事である。
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それに加えて、今も盛んに法律事務所がCMをしている「B型肝炎補償金」がある。これは集団予防接種によるB型肝炎感染者に対する国の補償制度を感染者に代わって申請し、補償金を受け取るというものだ。
たまたまCMソングが私の好きな寺尾聰「出航」だったのが皮肉だけど、このCMもしつこく流れているから、それなりに需要があるのだろう。
実は私も小学生の頃の集団予防接種によりB型肝炎に感染した過去があるので、法律事務所に問い合わせた事があった。
結局、その時にはすでにB型肝炎ウイルスが体内から消失していた事と今さら本人も含めた家族全員の検査が億劫な事もあって、たかだか数十万円の補償金を得てそこから法律事務所の手数料を引かれた金額を手にするのも面倒だと思い直して断った経緯がある。
今や弁護士と言えど、既得権者を除いてその資格に見合った十分な収入を得るのも難しいと言われている。いわんや司法書士や行政書士をや。少しでもビジネスになるのなら何にでも食いつくというのも分からないではないが、パチンコ屋のTVCMに代わってやたら目立つようになったのを苦々しく見ている毎日である。
暴論と言われるかもしれないけど。
新型コロナウイルス。最初は未知のウイルスだったので過剰な対応も当然の措置だったけど、ここまでの経緯を俯瞰して見て感染力・重症化率・致死率などから悪性度を比べると、
インフルエンザ>新型コロナ>感冒
と窺える。インフルエンザは症状が出て受診した患者が簡易検査で診断され、感冒は症状が出て受診した患者に除外判断を経て診断される。なのに、新型コロナは発熱などの症状が出てもすぐには検査されず、感染者の濃厚接触者ならすぐに検査されたり。
そうして感染者を見つけて増えたの減ったのと騒いでる印象だ。ちなみに今年1月の1週間のインフルエンザ感染者数は全国で78万人(!)だ。それでも予防は呼びかけてもここまで騒がれはしなかっただろう。
死亡者数にしても、ワクチンや治療薬がほぼ確立しているインフルエンザでも年間3000人亡くなっている。感冒由来の肺炎死亡者も相当数いるだろうが、新型コロナは1000人強。
しかも感染者の80%は無症状か軽症症以下までで、一方で高齢者や有病者は肺炎の発症などの重症化リスクが高いのはどれも同じ。感覚障害なんて発熱すればどのウイルス感染症でも多かれ少なかれ生じる可能性はある。
つまり、最初はともかく今やそれほどナーバスになる相手なのかと。
それなのに営業自粛までして徒らに経済を疲弊させる。既に新型コロナ関連の倒産件数は400件を超えている。ならばこれまでインフルエンザや感冒の時季に経済活動を抑制して来たのかって話だ。
これまでの日本人の感染予防に対する対応は、医療関係者の尽力に加え、個人のマスク装着率や手洗い、外出自粛などの履行率が諸外国のような法的強制力がなくても高いという事実が感染拡大抑制に大きく寄与しているのは論を待たない。もちろん今後もインフルエンザや感冒も含めた自己予防策として継続すべきとは思う。
そしてこれらは、日本人の重症者・死亡者数の少なさの一因として最近言われているアジア人免疫保有説やウイルス弱体化、変異説の前に押さえておくべきところだろう。
あなたの周りに新型コロナの感染者はどれくらいいますか?
インフルエンザや風邪の感染者はどうですか?
TURによる組織サンプリングを兼ねた検査入院から4ヶ月、今週の初め辺りから職場での排尿後の強い痛みが出なくなった。これは膀胱を傷付けた時からの時間経過のせいか、はたまた気候のせいかは分からないが、シクシクジンジン的な痛みは残っているものの、針刺痛が出なくなっただけでもかなり楽になった。
なので、本日のペインクリニック外来でK先生に最後の処方としてトラムセットとロキソニンをまとめて頂き、ひとまずこれで受診終了とした。結局最後まで痛みの原因は分からずじまいだったが、膀胱をいじった後、しばらくしてから痛みが出、その後数ヶ月経って治まって来るというのは過去の経験からも共通しているように感じた。
いずれにせよ、ここは遅ればせながらも我が身に訪れた春を素直に喜びたい。
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遂に新型コロナによる緊急事態宣言が東京都を始めとした首都圏の各県、大阪府、兵庫県、福岡県に出された。
他国のような罰則付きの強制的な措置は法的に出来ないものの、より一層の活動自粛を促す意味はあると思う。それでも我が国の新型コロナによる死亡者数が諸外国と比べて極めて少ないという事は、日本の医療レベルの高さに加え感染防止の施策がむしろ成功している結果だと言えるだろう。
参考までに、主要国の死亡者数(3月末→4月10日)はイタリア11501→18279人、スペイン7716→15238人、中国3305→3335人、アメリカ3170→15938人、フランス3024→12210人に比べて日本は56→88人である。
だが日々増え続ける感染者数は、もはやどこに無症候性キャリアが潜んでいるか分からないという脅威が増して来ているのは確実だ。だからこそ安易な外出や不特定多数との接触は個人個人が意識して避けなければならない。どこでウイルスを貰うかが分からない以上、その可能性を自らで潰して行かなければならないからである。
とはいえ、私の仕事はドラッグストア薬剤師。幸か不幸か新型コロナ禍による経済的影響は少なく、国や都による休業要請の対象外の職種でもあるから、日常生活は宣言の前も後もほとんど変わらない。相変わらず不特定多数のお客さんを店に迎え、マスク行列を捌きつつ、ティッシュやトレペの紙類の品出しをやりつつ、商品案内や医療相談をこなしている。
主治医のT先生の病院は新型コロナ感染患者が出たせいで患者や来訪者にもマスク着用を義務付けている。しょうがないから病院入口で購入したマスクを鞄に入れて受診のたびに着けているが、マスクがこんなにも息苦しいものだと何十年振りかで再認識させられた。
実は職場でも従業員のマスク着用は要請されているが、マスク嫌いな私と店長は現在までマスクはしていない。だが店に来るお客さんがほとんどマスクをしている景色の中にいると、まるで自分達だけが非国民みたいな気がしてしまう。ま、今のところはまだ許していただこう。
楽しみにしていた今月下旬の下呂温泉での車関係のお泊まりオフ会も延期になったが、現在の状況を鑑みれば正解だったと思う。車での移動そのものは他者との接触がないから比較的安全と言えるが、行った先では不特定多数との接触は避けられないから、思わぬところでウイルスを拾って来てしまうリスクは否めない。
君子危うきに近寄らず、が今は最優先だろう。
人生100年時代に終生不安のない水準で生活を送るためには、年金以外に夫婦で2000万円の老後資金を用意しておかなくてはならないという金融庁ワーキンググループの発表。
折しも参院選が近づく中、過去に年金問題が選挙の鬼門となった安倍政権は、何と諮問した側の麻生財務相がその報告書の受け取りを拒否するという信じ難い愚挙に出た。報告書の枝葉末節はともかく、大筋は言ってる通りだろうに。
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2000万円という金額が妥当かはさて置き、すでに高額の年金を受給している世代よりも若年層では、誰がどう考えたって年金支給額だけでそれまでと同等レベルの生活水準が維持出来るなんて事はあり得ないというのは、国民誰もが多かれ少なかれ肌で感じているはずである。それも厚生・共済年金受給者の話で、資産の無い国民年金のみの受給者ではさらに切実な問題となる。
また、高齢になるに従って食費などは少なくなるはずとする反論があるが、逆にほとんどの場合、医療費の自己負担額は増加して来るから、生活費全体としてはそれほど減額にはならないだろう。私の数度に渡る入院手術もアラカンあたりからである。
住居費も65歳時点で住宅ローンは払い終わっているという前提だが、我が家のように依然として残っている世帯もあるだろうし、修繕などにも少なからぬ費用が掛かって来る。まあ、死んでしまえばローン終了、それまでだけどね。(^^;)
リタイアしてヒマを持て余していれば趣味や旅行などにも興じたいだろうから、当然そこにもお金が要る。事実、我が家でもここ数年は定期的に温泉ドライブ旅行に行っているが、それもささやかながらも金銭的時間的余裕の為せるワザだ。もちろんそれなりの出費となるが、そこはスルーして見ないフリ。(^^;)
これはSNSにも上げているが、そもそも年金の「100年安心プラン」は年金の「制度設計=システム」の話であって、「支給額」の多寡の話ではない。なのに詐欺だ何だと野党や一部マスコミはあげつらって騒ぐが、お門違いも甚だしい。意図的にミスリードするんじゃないっての‼️
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老後資金や年金問題が話題に上がるたびに、生活とは詰まるところ「お金の問題」であり、資本は我が身なのだとしみじみ思う。老後、不自由な身体でただ息をしているだけでは生きているとは呼べない。いわゆる「健康寿命」でどこまで生き長らえるのか。それが叶わない場合には自ら人生を自らの判断で終えられる選択肢、いわゆる「安楽死」の議論もある。
超高齢化社会が目の前に迫っている今、これからの高齢者はひとたび認知症を発症したり脳血管障害などを発症して身体を壊しお金もなく病院に断られ施設にも断られ、少子化で頼る家族もないとなれば、その行く末には生活保護に孤独死が待っているというのだろうか。それじゃ一人の人間の死にざまとして余りに寂し過ぎるというモンだろう。
数年前まで自分は多分70歳前に早死にするだろうなという漠然としたイメージを持っていたが、何回かの闘病を経て落ち着いた今は、逆に意外としぶとく生き続けるのかもしれないなどと何とも恐ろしい予感が頭をよぎるようになった。
生活維持の面も含めて長生きに脅威を感じてしまうなんて、この世はいたずらに長く生きてはいけないのかもしれない。如何に生きるかを考えるよりも如何に死ぬかを考えなくてはならないのは世知辛いばかりだが、ならばジタバタせずにアッサリ逝く事が本人にも家族にも幸せな事なのだろう。私の理想は、前夜にドンチャン騒ぎをして次の日の朝死んでいたというシナリオで、これは昔も今も変わらない。
3月17日に79歳で逝去したロケンロール内田裕也に続いて、昭和の異端を象徴した萩原健一がGIST(消化管間質腫瘍)のため、26日に都内の病院で死去していた。68歳だった。
ど真ん中世代の我々には、萩原健一というよりも何と言ってもテンプターズ時代から「ショーケン」だ!
1960年代、グループサウンズ(GS)の中心的グループだったザ・テンプターズのボーカル。代表曲「エメラルドの伝説 」の「湖に〜 君は身を投げた〜」は永遠に歌われ続けるフレーズだろう。
百花繚乱のGS全盛期、ジュリー率いる西のタイガースに対抗して東のテンプターズと言われ、かの吉田拓郎の「青春の詩」で「ジュリー! ショーケン! キンちゃーん! … ああそれが青春 」と歌われた事でも有名。
その後、ジュリーとツインボーカルをやった「PYG」を経てソロ歌手としても活動。活動期間が短かった事もあって、残念ながらその頃の曲はあまり覚えていない。
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だが、彼の本当の転機は俳優だった。「約束」という映画で、降板した俳優の代役として出演した事がそのスタートだった。その後、活動の幅はテレビドラマに広がった。
まずは言わずと知れた「ボス」故・石原裕次郎主演の七曲署を舞台とした刑事ドラマの「太陽に吠えろ!」1972年〜
ショーケンはGS時代そのままの長髪にスリーピースという型破りのマカロニ刑事役だった。
初回から出演し、最後は負傷した同僚刑事ゴリさん(竜雷太)の見舞いの帰り、立ち小便の直後に小銭狙いの通り魔に刺されて落命という、その後のゲスト刑事役に繋がる意外な絶命スタイルのハシリとなった。
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続いてショーケンがヘッドフォンをしながら牛乳をガブ飲みしたりコンビーフを缶のままかぶりついたりと粗雑に朝食を食べ続ける強烈なオープニングで始まる「傷だらけの天使」1974年〜
ショーケンは探偵事務所の調査員木暮修役。その弟分の乾亨役を水谷豊が演じ、「アキラ」「アニキー」の掛け合いが、当時のモノマネの定番だった。
ロケ地である代々木駅前にあった「代々木会館」は私の勤めていた会社の近くだったのでよく見に行った。外観はまるで禁酒法時代のアメリカや香港にあった九龍城を彷彿とさせる茶色と白の雑居ビルで、そのペントハウスでオープニング映像が撮影された。
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さらに、倉本聰の脚本で有名な「前略おふくろ様」1975年〜
東京の下町深川を舞台にした、照れ屋な板前の青年をショーケンが演じ、周囲の人々との触れ合いを描いた青春ドラマ。
当時まだ無名だった桃井かおり(恐怖の海ちゃん!)と故・川谷拓三を知ったのもこのドラマだった。故・梅宮辰夫が熟練の渋い板前役に初挑戦していて、それまでと打って変わった無口で、実にいい味を出していた。
番組タイトルは、主人公が母親宛に書き綴る手紙の冒頭で、劇中のナレーションもショーケンがその手紙を読む構成で、これはそのまま純が一人語りする「北の国から」へ受け継がれた手法という。
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こうしてみるとショーケンは歌手としては勿論だが、それ以上に俳優として燦然と光り輝いていたなと思う。間違いなく彼しか出ない色気があり、それが役柄を通して強烈な存在感を打ち出していた。だから観る者に忘れられないインパクトを与えるのだ。
それとは逆に私生活では、いしだあゆみらと4度の結婚、大麻や恐喝などで4度の逮捕と、まさにアウトロー的な生活を送ったりもしていた。
だが、世間はそんな彼を切り捨てずに寛容にも受け入れて来たし、それが許された時代でもあった。
それを良くも悪くも「昭和の匂い」と表現し、その匂いがまた一つ失なわれた事に残念至極と嘆く我々もまた「昭和の匂い」の一部なのだと思わされるのだった。合掌
「キャンプ終盤で結果を出せず、それを覆す事が出来なかった。今日の球場でのあの出来事、あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません」
そう語ってイチローは引退した。
3月21日、MBL開幕アスレチック戦の2連戦が行われた東京ドームが現役最後のステージとなった。
「去年5月からシーズン最後の日まで、あの日々はひょっとしたら誰にも出来ない事かもしれないというような、ささやかな誇りを生んだ日々だったんですね。その事がどの記録よりも自分の中では、ほんの少しだけ誇りを持てた事かなと思います」
その言葉に自身の限界に挑戦し、その限界を知らされたキャンプから今シーズンの苦悩の日々を物語っていた。その日々の中で日本での引退を決意したのかもしれない。
「結果を残すために自分なりに重ねてきた事。人よりも頑張ったという事はとても言えないですけど、そんな事は全くないですけど、自分なりに頑張って来たという事は、はっきり言える」
世界に誇る偉大なプレーヤーはこういう事もさらりと言う。
「人より頑張る事なんてとてもできないんですよね。あくまでも、秤は自分の中にある。それで自分なりに秤を使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと越えて行くという事を繰り返して行く。そうすると、いつの日からかこんな自分になっているんだ、という状態になって。だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を越えて行けないと思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので、地道に進むしかない」
「難しいかもしれないけど、言葉にして表現する事というのは、目標に近づく一つの方法ではないかなと思っています」
それを続けるという事が如何に難しく、そして凄い事か。
「孤独を感じて苦しんだ事は多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、辛い事、しんどい事から逃げたいと思うのは当然の事なんですけど、でもエネルギーのある元気な時にそれに立ち向かって行く、その事は凄く人として重要な事なのではないかなと感じています」
ああ、一見クールで求道的な雰囲気一杯と思っていたイチローは、我々と同じように悩み苦しみ、それでも自分の限界を超え続けながらそれらを克服して結果を積み上げて来たんだなあ。
やっぱり彼は超一流のプロフェッショナルだ。歩んだ道には彼に相応しい偉大な記録という足跡が鮮明に残っている。
オリックス時代、1994年に史上初の210安打を記録し、シーズン打率3割8分5厘をマークしてから2000年まで何と7年連続首位打者。
2001年にシアトル・マリナーズでMBL挑戦がスタートしたが、いきなり242安打のメジャー新記録、3割5分を打って首位打者、盗塁王(56盗塁)になり、新人王とMVPを獲得した。
フィジカルがモノを言うメジャーのパワーベースボールにスピードとしなやかさを武器にしたICHIROがMBLに衝撃をもたらした瞬間だった。
そして2004年、前人未到の262安打、打率3割7分2厘を含めて2010年まで10年連続200本安打の不滅の大記録を打ち立てた。
2009年の第2回WBCでスランプに苦しみながらも決勝の韓国戦の10回表に遂にタイムリーヒットを放ち、決勝点を奪って2連覇を決定付けた事も印象深い。
プロ野球現役28年、メジャー現役19年。日米通算3406試合出場(1位)、4367安打(1位)、235本塁打、1309打点、708盗塁、打率 .322 。
45歳、平成を駆け抜けたスーパースターはその最後の年にレジェンドとなった。
先日、フォローさせていただいているアカウント(@kuriedit氏)にこんな内容の記事が掲載された。
『「市販薬に本腰を入れている薬剤師が少ない」「専門家ほど記事を書きにくい」「世間の関心が集まりにくい制度」
決して市販薬の情報の需要がないわけではないのです。需要はあるけど供給されにくい。情報の総量が少ないので問題点が可視化されない。なので、情報の総量を増やす事に努めてます』
テーマが市販薬(OTC)を扱う薬剤師を対象としたものだったので、これは良い機会と思い、日頃から感じていたOTC薬剤師の存在価値なるものについて以下のようにリプさせていただいた。
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(ここからリプ)
OTC薬剤師の存在価値について、思いつくまま書いてみました。
①市販薬の範囲ではあるが、患者の病態によって適切な治療提案と薬剤の選択・推奨が可能な、ある意味「医師的な仕事」が出来る。
②調剤薬局の薬剤師に比べて患者サイドから見た敷居が低い。距離的にも患者に極めて近い位置に常在するため、患者にとって相談や質問がしやすい「手の届く存在」である。
(以上、リプは②まで。③はブログにて書き足し)
③患者は相談したい、訊きたい事があるからOTC薬剤師へ接触するので、初めからコミュニケーションをする姿勢が出来ている。だから的確な治療提案や情報が得られれば「感謝される立場」となる。
(そしてまとめリプ。加筆修正あり)
でも現実は、DgSにありがちな売上・粗利の追求に軸足を置いている薬剤師ならぬ「薬剤屋」(または「薬売師」)がいたり、逆にお客さんとのコミュニケーションには消極的な「いるだけ薬剤師」がいたりします。
どちらにしても、本人に医学や医療用医薬品に対する知識や経験が不足してる場合は、患者のニーズを満たせる病態・診断・治療への提案力が十分とは言えず、そういう薬剤師は決して少なくないという問題点があります。
市販薬の情報開示や提供にも問題があると思いますが、それを扱うOTC薬剤師側にもその資質を含めた問題・課題があると感じる事が多いですね。
調剤薬剤師と比べてOTC薬剤師は格が下だのという見方も一部にあるようですが、見方を変えれば逆に調剤薬剤師以上のクォリティの高い仕事も出来ると思っています。
リプはここまで。
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Twitterは字数に制限があるため、長文の場合は連投となるが、これ程まとめて連投してのは初めてだ。そして短時間にここまで考えがまとまり、スッキリしたのも初めてだった。
OTC薬剤師がその存在価値を十二分に示すためには、前述の条件を可能な限り満たす必要があるだろう。そのためには若いうちは医師や医学に触れる環境に身を置き、人生の後半あたりで、培った知識と経験を活かすOTC薬剤師となるルートが効果的だと思う。
そんなOTC薬剤師なら薬剤師人生の2ndステージもきっと充実したものになるに違いない。現に私は発注、品出し、メンテナンスなどの物理的作業もなんのその、それ以上にお客さんへの治療提案を通して日々充実しているから。(^_^)v
休職明けでも残っていたシクシクジンジンは、ここ数日でかなり回復に向かっているのがはっきり感じられる。一昨日、昨日の2日連続勤務中も排尿後のシクシク程度で、ようやくこれまでよりも楽に仕事が出来るようになった。
今日の外来でもT先生は「だいぶしっかりと座れるようになりましたね」と言いつつ、かれこれ一年やってないCTと膀胱内視鏡を年明けに実施したいとも言うので、来週に予定されている尿細胞診の結果を聞いた時にでも日程を決める事にした。
今回は1月にTUR-Btを受け、その後遺症が癒えた4月に第1回のBCG膀注療法をスタートし、5月、6月、8月と副作用の程度を観察しながら計4回が終了した。だが、その1ヶ月後に強い痛みを伴う膀胱炎症状が悪化して、その後はBCG膀注療法を継続出来ずに3ヶ月が経ち、今日に至った訳である。
本来ならBCG膀注療法は週1回×6〜8回がワンクールだから、今回はインターバルを取りながらだいぶ慎重に進め、それでも前回同様の重度の慢性膀胱炎状態が発症してしまった。それでも前回の半分の回数だったので、苦しんだ期間も約半分の3ヶ月で済んだという事なのだろうか。
いずれにせよ、まだ残る頻尿及び排尿後開始時の痛みと排尿後の鈍痛も徐々に緩和されて来ているし、気休め程度であれ鎮痛薬も不要となったのは喜ばしい限りである。
さて、今回はこの状態がいつまで続くか。スクリーニングの尿細胞診で悪性細胞が見つかったらまたBCG膀注療法をやるしかないが、これでずっと悪性細胞が見つからないままという奇跡でも起きればなお喜ばしい。
それにしても、こう何度も苦しい思いとそれが解消された時の健康のありがたさを実感する事を繰り返していると、これが再発や転移のリスクを持つ「がん」という疾患を抱えた人間の生き方なのかもしれないとしみじみとする。
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東名高速のあおり運転事故で、危険運転致死傷罪などに問われた石橋和歩(26)の裁判員裁判で、横浜地裁は懲役23年の求刑に対し懲役18年の判決を言い渡した。争点となった危険運転致死傷罪の成立も認めた。
弁護側はおそらく控訴するだろうが、2人の被害者に殺害行為に等しい事をしでかして、なお求刑未満の18年の懲役とはどうにも合点がいかない。また、いつも求刑未満に処する裁判官の下らん慣例もほどほどにせいと言いたい。
そもそも車の運転とは「走る」「曲がる」「止まる」を行う行為なのだから、被告の一連の運転行為は危険運転致死罪と見て妥当だろう。たとえ法文に100%合致していない部分があったとしても、そう捉えるのが裁判員を含めた市民感情というモンだ。
ましてや、弁護人に言われて書いたであろう「お父さんとお母さんを死なせてしまって申し訳ないと思うけれど、この事故がなければ、彼女と結婚する予定でした。自分が支えていきたいので、この事故の事をお許しください」という全く自分勝手な謝罪文が、遺族や市民感情をさらに逆撫でした。
それらを踏まえての今日の判決。
でもね。懲役18年であれ、模範囚なら10年チョイで出て来られるどうにもならない不条理は如何ともしがたい。いっそ仕事人にでも始末を頼みたいというのが遺族の率直な感情ではないだろうか。
冥土の中村主水よ、あんたの出番だぜい。
有価証券報告書に役員報酬を約50億円分少なく記載した疑いで逮捕された日産のカルロス・ゴーン容疑者(64)だが、そのいきさつに関して日産の西川社長ら経営幹部によるクーデター的な背景がある事が浮かび上がって来た。
ゴーン氏は、去年まではフランス政府や日産の43%の株式を持つルノーに対し、日産の経営独立性を維持する方向だったものの、今年に入って言動が変わり、ルノーとの経営統合へ踏み込んだ発言があったという。
その裏側にルノーのトップを継続する条件としてルノーの大株主であるフランス政府(マクロン大統領)から日産との関係を不可逆的にするよう前へ進めろとの提示があり、それをゴーン氏が呑んだためという。
これはルノー・日産・三菱グループ最大の売上高をマークした日産にとっては到底容認できない最大の危機であり、そこから今回の検察を巻き込んだ逮捕劇に繋げた、まさに日産の日本勢によるクーデターである。
その後、日産の取締役会が開かれ、ゴーン氏の会長および代表権解任が決議されたが、その前後にもゴーン氏の数々の会社資金の私的流用が明らかにされた。
実態のない子会社を設立させ、そこからブラジルやレバノンなどに高額な豪邸を購入させ、それを家族が使用していたのは既報の通りだが、姉と実態のないアドバイザリー契約を結んで年10万ドルを支払ったり、自身の家族旅行や娘が通う大学への寄付を負担させたり、さらには私的な投資で生じた約17億円の損失を日産に付け替えていた疑いまで出て来たのだった。
これらが本当だとしたらまさにやりたい放題で、権力は必ず腐敗するという言葉を図らずも証明する事となった。ましてやゴーン氏は彼に全ての権力が集中している独裁者であったから、独断専行だろうが公私混同だろうが違法行為だろうが横領背任だろうが誰も止める者はいなかった。
世界的カリスマ経営者であれ裏の顔があり、あれほどの収入があるのにさらにカネに執着する醜態を晒した。一説にはブラジル大統領を狙っていたとも言われ、そのための資金を貯めておきたかったのかもしれないが、もはやそれも水泡に帰した。
人間、足る事を知るというのは大切だな。
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膀胱がんを公表しているキャスターの小倉智昭氏(71)がフジTV「とくダネ」で、月末に膀胱全摘出手術を行なうため長期休養に入る事を発表した。
彼は浸潤性のがんだったようで、そのケースの治療法としては膀胱全摘の上、尿路の再建を行なう尿路変更術の必要がある。再建方法のうち彼が選択したのは一般的な回腸導管造設術(ストーマ造設)ではなく、切除した小腸で代用膀胱を作る自排尿型新膀胱造設術である。
これは元ボクサー竹原慎二氏のケースと同じ術式で、回腸導管術によるパウチ使用よりも合併症のリスクはあるものの、自然排尿と同じ経路で排尿出来るのでQOLの面で優れている。
2人に1人ががんになると言われて久しいが、最近特に有名人のがん発症が話題になる事が多い。それが私の身に起こっても決して不思議じゃないわな。
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今朝、元貴乃花親方の花田光司氏(46)が元フジTVアナウンサーの河野景子氏(54)と離婚していたとの報道。既に10月25日に離婚届が提出されていたという。
だろうな。さもありなん。貴乃花の一連の動きからすれば、彼女としてはとても付いてはいけないだろうから、離婚には別に驚きはない。
景子氏は靴職人だったはずの長男優一氏のタレント活動を推していて、貴乃花とは意見の相違があったとも伝えられている。
せっかく弟子の小結貴景勝が福岡場所で初優勝したというのにねぇ。シコ名が「貴乃花と景子が勝つ(ホントは上杉謙信由来らしい)」だったのにねぇ。
彼女、元貴ノ花夫人の藤田紀子氏や元坂東三津五郎夫人の近藤サト氏と同様、今後はタレントとしてマスコミに復帰して来ると見た。一時的ではない継続的なニーズがあるかどうかは別として。
あるいは元夫を差し置いて政界進出も?
初戦引き分けで始まったカープvsホークスの日本シリーズ。
その後カープが1勝したものの、舞台はマツダスタジアムからヤフードームへ。そこでホークスが3連勝し、後のなくなったカープは昨日本拠地へと戻った。
スタンドがほぼ全面真っ赤に染まったマツダスタジアムだったが、そこに歓喜の瞬間を迎えたのはホークスだった。
セリーグ三連覇を成し遂げたカープだったが、またも日本一はお預けとなってしまった。小学生以来のカープファンである私もただただゲームセットを見つめるしかなかった。
6.5ゲームも離してパリーグ優勝した西武を下剋上で退けて日本シリーズに出場したホークスが日本一にもなったのはシャクにさわるが、なぜか工藤監督は憎めないのだ。愛嬌のあるあの顔と人柄のせいなのかな?
それにしてもホークスのキャッチャー甲斐の通称「甲斐キャノン」の威力は凄まじかった。機動力が持ち味のカープの足を何と100%刺した肩は、まさに日本一のための最大の武器だったのは間違いあるまい。
キャッチャーのプレイにこんなに魅せられたのは初めて。彼の名前も覚えておくべき名前である。
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正式な休職に入って4日。もっとも10月もロクに出勤していなかったので、事実上先月から休職状態だったけど。
その間は私の公休日に半日勤務されるパートのT先生こそいるものの、その他の日は薬剤師不在となり要指導・1類医薬品が販売出来ない状態だった。特にロキソニンの需要の多いウチのお客さんには相当な不便を掛けてしまっているのが心苦しかった。
そして正式に休職となった今月は、本部のS先生が毎木曜+日曜2回、他店のA先生が毎月曜に来ていただける事になり、医薬品エリアの各種メンテも含めて心強い応援となるので大変ありがたく思っている。
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休職に入ってからはキツい針刺し痛を伴なうLevel4「悪魔の時間帯」の訪れはないと思っていたが、やはり簡単に回復はさせてもらえないらしい。
昨夜のトイレの後から今までとは別のタイプの痛みではあるものの、それでも横になって眠ることが出来ず、午前2時前後から6時手前までの殆どの時間をベッドの上で「orz」の体勢で耐えるのを余儀なくされた。その間、痛みが増幅する尿意を合図に30分毎にトイレに通うという、まさに悪魔の時間帯そのものの苦痛がやって来たのだった。
何とかそれが過ぎ去った7時台からはしばし寝落ちするものの、1時間もすれば尿意を知らせる痛みで起こされる。Level3「強い鈍痛の継続+針刺し痛」未満の痛みであれば尿意は2時間は持つのだが、炎症が強まった時はその間隔が短くなる。だが相変わらず排尿開始までに強い痛みがあるし、終わって膀胱が強く収縮する事が悪魔の時間帯のキッカケや持続となるとは実に皮肉な事である。
やはり思い切って休職にして正解だった。
毎朝の痛みの状態がその日の朝にならないと予測不能だったし、ましてや日中の痛みの発現や増強も、こうして安静にしていても日々変化するのだからおちおち勤務も出来なかったろう。勤務途中で強い痛みに襲われればますます現場が混乱し、スタッフにもお客さんにもさらなる迷惑を掛ける事になっていただろうから。
まあ、定規で線を引くような回復カーブを描いて回復するとは思ってはいないけど、少なくとも休職が終わるまでにはほぼ痛みが気にならないLevel1「排尿時痛のみ」までにはなっていて欲しいモンだ。
100回記念大会で盛り上がったこの夏の甲子園を象徴するかのように人材豊富な今年の高校生選手たち。その人生を決めるドラフト会議が昨晩開催された。
その時間帯、私はLevel4「悪魔の時間帯」が始まっていたのでダイニングテーブルに手をついて痛みに耐えながらTV中継を観ていた。
今回のドラフトからかどうかは知らないが、会場には一般のファンも入れるようになっていて、くじ引きともなると贔屓の監督に声援を送るなんてシーンも。それまで粛々と進められていたかつてのドラフト会議からすれば隔世の感だな。
さて注目の一巡目指名。いわゆるドライチである。
大谷に続く二刀流と期待のかかるオールラウンダー、根尾 昂選手(大阪桐蔭)。
巨人を含む4球団競合だったが、中日与田新監督が交渉権獲得! 根尾選手はドラゴンズのジュニアチームに在籍していた事もあるそうでドラゴンズとは馴染みが深く、インタビューでは早々と入団を決めたようなコメントだったのが潔かった。
その根尾選手のチームメイトの藤原恭大選手(大阪桐蔭)。
攻守走三拍子揃った逸材で、彼も3球団競合の末、ロッテ井口監督が交渉権獲得。
甲子園の試合を観ていなかった私には印象が薄かった小園海斗選手(報徳学園)。
彼も各球団注目の超高校級逸材には違いない。4球団競合の末、育成力抜群の広島緒方監督が交渉権獲得。去年の中村といい、広島は今年もヒキ強し!
ドラフト一巡目もここまで進んだ段階で、何やらふと違和感を覚えた。あれ? 誰かを忘れちゃいませんか、と。そう! あれほどマスコミに取り上げられたあの選手の名前がまだ出ていないではないか!
吉田輝星選手(金足農)である。
根尾選手と並んでドラフトの目玉とマスコミに囃されていたものの、甲子園での881球がどう評価されたか、何と一回目での指名球団はなし。二回目で日ハム単独指名。ここも育成上手な球団なので、じっくり育ててこの一級品の素材に大きな花を咲かせて欲しい。
さて、何でも欲しがるジャイアンツは一回目、二回目共外れクジの連発。三度就任した原監督ヒキ弱し! シメシメ
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いい加減に回復の方向へ向かっているだろうとの期待を裏切るようにまたまた出現した「悪魔の時間帯」。昨日もいきなり15:00頃から始まり、日付変更線過ぎまで続いた。わずかな救いは、それまでより若干痛みの程度が弱めだったくらい。頻尿と相俟ってひたすら耐えるのみの辛さは同じだった。
土曜日に予定されている母校中学校の60周年記念同窓会。こんな状態ではとても参加は無理と判断して、幹事にその旨を伝える電話をした。
ちなみに、我々と同い年の中学、60周年だから当然第1期から第60期と幅が広過ぎる卒業生が参加対象となるのだが、それでも何と400名以上が参集すると。しかも、そのほとんどが不思議と第1期〜第30期あたりまでの卒業生ばかりだと彼は言う。
そこまで聞いてハタ! と閃いた。そう、個人情報取扱いの問題で、30期以降の卒業生はオフィシャルの名簿が存在しないのだ! 名簿が無ければ連絡のしようがないのだ! もちろん学校には卒業生名簿は存在するが、それとて個人情報の観点から開示は出来ないそうだ。
おいおい、ならばこういうイベントのお知らせはどうすりゃいいの?
卒業アルバムの終わりに住所・電話番号が記された名簿があったのは今や昔話。今でも名簿を作っている我々の代ですら、それはメンバーの承諾のもとという前提である。
だからその世代までは同窓会もやってるようだし、その都度バージョンアップも可能となる。残念ながら先生も含めて物故会員が増える事の方が多いけど。
時代と言えばそれまでだけど…ねぇ。
シリアで2015年、イスラム過激派組織に拘束されたフリージャーナリストの安田純平氏(44)が3年4ヶ月ぶりに解放された。
報道によれば、日本政府は身代金を払っていないだの、代わりに仲介役のカタール政府が払っただのとあるが、カタールが他国の人質に何百万ドルも払うわけもなく、おおかた裏で日本から金が流れたという見方が妥当だろうな。
早速、その安田氏の自己責任を問う声や知られざる事実を命を懸けて取材しに行ったのだから敬意をもって迎えろという声が挙がっている。後者の声として、特にモーニングショーで玉川徹氏の「兵士は帰還したら英雄として尊敬され迎えられる」発言が炎上を呼んでいるが。
少なくとも彼は祖国のために戦った兵士でもなく、国の任務を遂行しに行った外交官でもなく、ましてやボランティアで行ったわけでもない。言うなればジャーナリストの「ビジネス」として自分の意思で行ったのである。そこに如何なる正義感や使命感が伴なおうが、「収入を得るための仕事の一つ」という一面は否定出来ないだろう。
彼が政府の渡航制限を無視して危険な土地へ行って拘束されたのはこれで5回目である。その度に多くの人の労力や大金を使わせているのだ。いい加減に学習して、取材はしても危険な一線は越えないという状況判断くらい出来ないものか。
しかも安田氏は、今回の渡航前のTwitterで「日本は世界でもまれに見るチキン国家だわ」「自己責任と言うなら口も手も出すなと日本政府を徹底批判しないといかん」などと大口叩いていたのに、いざ捕まったら「助けてくださ〜い!」だもんね。
いっそ、テロ組織の残虐さを身を以て世界に示すために命を懸けて抵抗すれば良かったなどの極論も飛び出す始末。まあ分からなくもないけど。
【追記】
帰国する機上のインタビューで、
「トルコ政府側に引き渡されるとすぐに日本大使館に引き渡されると。そうなると、あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかったので、ああいう形の解放のされ方というのは望まない解放のされ方だったという事がありまして」
ほざけ!
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排尿後の膀胱収縮から弛緩に至る、痛みを伴う15分間が特に重要で、この時の痛みが契機となって鋭い針刺し痛が延々と持続する「悪魔の時間帯」が始まる事があるからである。
だから排尿後は腫れ物に触るようにゆっくりと移動し、そっと横になって体を丸めてジンジンする痛みが収まるのを静かに堪えて待つしかない。
初めはこの仕組みがよく分からず、仕事場で出たせいで早退せざるを得なかった事もあるし、自宅で安静にしている時でもいきなり出て、昼下がりから深夜までそれが続いた事もあった。
今となっては起床時の痛みの状態だけで出勤できるかどうかを判断していたのは危険だったし、たとえ職場へ辿り着けたとしても仕事中にこれが出るのが何より怖くなった。そのため、ついに来月の休職を待てず今月末まで全休扱いにしてもらう事を願い出ざるを得なくなってしまった。
そもそも、今私の膀胱で起きているのは免疫反応による炎症である。だから対処法をどんなに調べても、炎症が鎮火するまで待つしかないとしか出て来ないから、やはりひたすら時間との闘いとなる。だがハタから見れば重度とはいえたかが膀胱炎の症状であり、それがこうも長引くというのはちょっと理解し難いだろうと思われる。だから余計に心苦しくなって来る。
歩行や動作時にツーンとした膀胱痛が来る事も十分に脅威だが、ここまで来ると本当の敵は排尿後の膀胱痛から始まる「悪魔の時間帯」だったのである。少なくともこれが出なくなるまでは外に出る事も叶わない。
ちなみに今まで襲われた痛みをレベル分けしてみた。
Level 1 : 排尿時痛のみ
Level 2 : 断続的な鈍痛または針刺し痛
Level 3 : 強い鈍痛の継続+針刺し痛
Level 4 : 悪魔の時間帯
今のところは悪魔の時間帯が現れない日でもLevel 2がせいぜいだから、安静にしていても決して楽ではなく、常に何らかの痛みを堪えながら横になっている。
そして1〜2時間おきにやって来る排尿で、排尿痛と排尿後の膀胱痛にも苛まれる。そんな事を終日繰り返しながらの判で押したような毎日、興味・喜びも喪失するってモンじゃないの。
私も「助けてくださ〜い!」だわ。
大坂なおみがテニスの四大メジャー大会である全米オープンで見事に優勝した。これはシングルス史上初の快挙だった。
しかも決勝の相手はメジャー24勝目を懸けた女王セリーナ・ウイリアムス。彼女の自滅もあったものの、ストレートで破っての堂々たる制覇だった。
松岡修造も錦織圭もいまだなし得なかった偉業に心から拍手を送りたい。
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だが、世間はそうではない輩がいるようだ。
昨日の凱旋会見の席上、濵田理央という朝日新聞系記者がこんな質問をし、彼女は戸惑いながらも答えた。
記者「海外で、大坂さんの活躍や存在というのが、古い日本人像を見直したり、考え直すきっかけになっているという報道があります。ご自身のアイデンティティというのをどのように受け止めているか?」
大坂「(不思議そうに)その報道はテニスに関してですか?」
記者「日本人との間に生まれた人が日本人という古い価値観があるが?」
大坂「(戸惑いながら)それは質問ですか?」
会場からは失笑が漏れた。
大坂「私は自分のアイデンティティに関して特に深く考える事はなく、私は私である、という風にしか思っていない」
この後、さらに質問を続けようとした記者に司会者が「もう結構」と断じたのはGJだった。
恐らくこの記者は、彼女の生育環境や容姿が一般的な日本人像とは異なる事を、いかにも世論が抱いた印象を代表するかのつもりで質したのだろう。しかも持って回った彎曲した言い方で直接差別的発言とは取られないような抽象的な表現で。
さしずめ彼女から「これまで自分のアイデンティティについては色々考えさせられて来ました。そんな私を日本人として受け入れてくれた事に感謝します」とでも引き出したかったのだろう。
哀れなほど下衆な輩である。
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多民族国家であるアメリカやフランスを例に取るまでもなく、もはや単民族なんていう集合体は意味を成さない。もちろんこの日本でも。
古くは大相撲の大鵬、プロ野球の鉄人衣笠、太田幸司、サッカーの闘莉王、F1の鈴木亜久里などなど。
近いところでもプロ野球ダルビッシュ有、陸上室伏広治、ケンブリッジ飛鳥、柔道ベイカー茉秋、バスケ八村塁など枚挙にいとまがない。
同じ女子テニスでも宮城ナナがいた。だが、彼ら彼女らが会見やインタビューでこれほど不躾に質問された事はないだろう。もう一度言う、胸糞悪い下衆の極みである。
個人のフィジカルが結果に少なからず影響を与える個人競技ほど、欧米人よりも体型的に小型なこれまでの日本人が不利だった事は否めない。だが、社会的にも生物学的にも国籍とDNAが日本人ルーツである限り、どこをどう取ろうがその人は「日本人」であり、逆にそれを否定出来る要素はどこにもないのである。
ならば純粋な〇〇人なんて現在の世界を見渡しても何処にいるというのか。敢えているとすれば、世間とは一切隔離されたごく少数の民族だけだろう。
混同してはならないが、だからと言って日本は移民国家ではないという事である。移民を受け入れ、日本国籍を付与すれば日本人誕生という話は、それとは全く別の問題であると断っておく。あくまでそのアイデンティティはDNAにあるのだ。
いずれにせよ、大坂なおみは讃えられるべき偉業達成者である。また、同時にTwitterなどで俎上に上がる車イステニスでメジャーどころか年間グランドスラムを5度も達成している国枝慎吾も讃えられるべき偉業達成者である。その違いはあくまで競技の種類が区別されているだけで、プレイヤーが比較されるものではないのは言うまでもない。
7月3日午前5時。
W杯日本代表の試合が終わって、今猛烈に感動している。
「さぁーて、いよいよ奇跡が起きるかボロ負けか?
相手は世界最高レベルのベルギー軍団。
勝てば歴史に残るジャイアントキリングで大目標のベスト8進出だ!
ワクワクだけど、キックオフにゃまだ早い。
目覚ましかけて先ずは寝よ。(^ ^) 」
そして午前3時。いよいよキックオフ!
「立ち上がり、日本はベルギーに互角以上に渡り合っている。
ベルギーのディフェンス陣は早い連携で十分に崩せる。
しかしベルギーのオフェンス陣はボールを持たせると怖いな」
「ベルギーのコーナーキックが連続している。彼らのセットプレーも怖い」
「乾のヘッド〜!!
キーパー正面で惜しい〜!」
「大迫のツメにボールはGKクルトワの手をすり抜けてコロコロ。あと少しでゴールへ! これまた惜しい〜!!」
「ここまで0対0で前半終了。
さすがにベルギーの攻撃が激しいものの、ここまで無失点で切り抜けたのはプラン通りだろう」
「原口〜! やった〜!!!!
ゴーーーール!!!!
日本先制〜〜〜!!!!!
凄い展開だ〜〜〜!!!!
起きてて良かった〜!!!!」
「乾〜〜!!!! ゴーーーール!!!!
すごいぞ日本代表ーー!!!!
ベルギー相手に何と何と何と2点目〜!!!!!
夢じゃない!!!!!
今、確かに奇跡が起ころうとしているーーーー!!!!!」
「日本国民よ、全員起きろーーー!!!!
我らの代表が奇跡を起こしているぞーー!!!!」
「あの最強ベルギーに2点もリード!!
この至福の時間帯を全国民で味わおう!!
後は前半同様にしっかり守り、30分過ぎからはボールを回せば勝ちが見える!!」
「あ〜!!
ベルトンゲンのヘッドが「たまたま」ゴールの隅へ〜!!
なんのなんの、1点くらい想定内ですよ!
ここからここから!
さあ、取られたら取り返しましょう!!」
「あれーーー!!
アザールからフェライニのヘッドでベルギーに追いつかれちゃった〜!!
いやいやいやいや、これでリスタートだよ。
まだ負けちゃいない!!」
「そろそろ選手交代で空気を変えようか。
よし、本田と蛍を投入。
もう1点狙っていこう!!」
「クゥー! シビれるー!! 川島〜!!!
シャドリのヘッドにルカクのヘッドをスーパーセーブ連発でガード〜〜!!!」
「本田のFKは得意の無回転シュートだ〜!!
見事に枠に行ったもののGKクルトワがセーブ。
後半アディショナルタイムは4分、さあ、ホントの正念場はここからだぞ!!」
「ベルギー、絵に描いたようなカウンター。
デブライネからムニエのクロス、シャドリに逆転ゴールを許してしまった〜!
万事休すか〜! ああ、虚しくホイッスル〜!
歴史は、変えるには重かったかもしれない。
でも最強の相手にこれは大健闘だろ?
彼らに思い切り拍手を送ろうじゃないか! 涙」
驚いた。笑った。泣いた。
日本代表、心からありがとう!!
W杯グループリーグ第2戦。第1戦に続いてGK川島のミスもあったが、アジア勢として南米チームにW杯初勝利したコロンビア戦に続いてセネガル相手に二度追いつく大健闘で引き分け、勝ち点1を積み上げた。
そして迎えた、これこそ絶対に負けられない大一番がFIFAランキング8位の最終ポーランド戦である。この試合で引き分け以上なら自力で決勝トーナメント進出となる。負ければコロンビアvsセネガルの結果に委ねられる。
運命の試合。何と前試合から6名も入れ替えて臨んだ日本代表、前半から日本の攻撃がポーランドゴールを脅かす。守備陣も相手の高速カウンターに食らいつき、エースのレバンドフスキーにもまともに仕事をさせない。日本の得点の匂いプンプンの試合運びだった。
だが後半14分、警戒していたセットプレーからポーランドに先制点を許してしまった! この試合、GK川島の汚名返上のスーパーセーブが三度も炸裂! ポーランドに追加点は許さなかった。
同点のためのゴールを必死に追い求める日本にやがてコロンビア先制の情報がもたらされる。このままで行けば、ポーランドに負けてもセネガルと勝ち点、得失点差などは全く同じだが、わずかにイエローカードの数(フェアプレーポイント)で日本が上回っていて、文字通り薄氷の決勝トーナメント進出が可能となる。それがグループリーグのルールとなっている。
そして西野監督は攻撃をせずにボールを回して時間を稼ぐ指示を出した。観客からの大ブーイングがスタジアムに響いたが、このまま勝利すれば2連敗のポーランドのメンツも立つし、日本も決勝トーナメントへ進出できる「Win-Win」となるのでポーランド側も攻撃して来ない。そしてタイムアップ。
あちらではコロンビアがそのまま勝利して、この瞬間、セネガルを押さえ日本が決勝トーナメントへの進出を決めたのだった!
この試合運びに私も思わず「?」となったし、試合後には国内に留まらず世界でも賛否が渦巻いたが、考えてみればプロの試合は結果が全てである。オリンピックなどのアマチュア大会とはそのメンタリティが違うのである。攻めてやられたドーハの悲劇の再現にでもなったら目も当てられない。
もしもセネガルが残り15分で同点に追いついたら日本の戦術は結果的に空振りとなり、それはそれで愚かな行為などと責められたに違いない。だからこれはあくまで戦術の一つであり、反フェアプレー云々には当たらない。現にリードした相手がボールを回して時間稼ぎをする試合はいくらでもあるし、先日もキーパーまで攻撃参加した挙句、無人のゴールに蹴り込まれて追加点を献上したドイツの例もあったじゃないか。
何度も言うが、これは全チームに適用されている「ルール」である。
もともとサッカーは、相手に対して如何に裏をかき翻弄しながらゴールを目指すかという性質の時間制の競技である。そして我々の当面の最大目標がグループリーグ突破である限り、リスクを極力回避して結果を求めるのは正当な行為である。それでもセネガルが追いつくかもしれないリスクを覚悟しつつ、西野監督は勝負師として決断したのである。長谷部投入がそれを物語っていた。
これ以上、外野はウダウダ言うべきではない。何よりも我々の望んだ結果がもたらされた事を素直に喜べば良いではないか。
さあ、いよいよ決勝トーナメントだ。相手はFIFAランキング3位のベルギー!
2月9日から始まった平昌オリンピックが25日に閉幕した。今回日本勢が獲得したメダルは金4、銀5、銅4の計13個で、1998年長野大会の10個を超えて最多となった。
印象的だったのはこの13個のメダルのうち、実に8個が女子だったという事。女子選手の基礎的な力が上がったとも言えるが、一方で欧米の選手と比べてフィジカル勝負ではない種目で日本人選手の高度なテクニックが活かせた結果とも言えるだろう。
男子種目はタイムや距離を競う種目などではまだまだフィジカル勝負の面が大きいが、女子種目においてはその差をテクニックでカバーできる余地が少なからずあったのは興味深い発見だった。
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スピードスケートの高木姉妹は凄かった。妹の高木美帆は2010年のバンクーバー大会に中学生として最年少代表で出場したものの惨敗。次のソチ大会では代表落選、代わって姉の高木菜那が出場したがやはり惨敗。
そんな悔しい経験を乗り越えて今回姉妹揃って代表となって、何と何と美帆は金銀銅メダルの個人コンプリート達成、菜那はダブル金メダルの快挙を成し遂げた!
彼女らが帰宅したら凄い光景が待っている。彼女らは両親にメダルを掛けてあげたいと言っていたが、それどころの騒ぎじゃない。3個の金メダル、さらに銀と銅もある。とても両親だけじゃ掛けきれない嬉しい悲鳴が聞こえて来るようじゃないか! 頑張って良かった良かった。
圧巻だったのが高木姉妹を中心としたパシュートだ。空気抵抗を最小限に抑えた選手間の距離を詰めたあの素晴らしく綺麗な隊列が、個人技に秀でた外国人チームを打ち破り、最大のライバルだったオランダチームをも2秒近い大差で破り、堂々の金メダルを獲得した。個人のパワーでは敵わなくても、チームワークでそれを凌駕する姿は日本人らしくて気持ち良いじゃないの!
すでに世界中に報道されているように、今後はこの日本チームのテクニックが世界標準として世界中のチームの目標にされるだろう。
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期待されて期待通りに結果を出したのが男子フィギュアの羽生結弦と宇野昌磨。さすがだわ!
羽生はオリンピック2連覇という王者に相応しい貫禄の成果を挙げた。だが試合後に、痛めた足はまだまだ完治していなかった事を告白。それを乗り越えての素晴らしい演技にさらに感動を覚えたのは私だけではないだろう。
メダルには届かなかったものの、フィギュア女子の宮原知子、坂本花織も素晴らしい演技を見せてくれた。特に宮原はフリーでノーミスと言っていいくらい鮮やかな出来だった。表彰台までもう一歩だそ!
それにしてもロシアの15歳ザキトワのまるで精密機械、女王メドベージェワの貫禄の演技には圧倒された。この演技を見せられたら金と銀は当然だと納得するしかないわな。
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先駆者でありキャプテンでもありながらリザーブとして裏方に徹した本橋麻里率いるチーム「ロコ・ソラーレ北見(LS北見)」は、初メダルとなる銅メダルを獲得した。しかも予選で一度は敗れたベテランスキップのミュアヘッド率いるイギリスチームを破っての偉業だった。この勝利に本橋の貢献は相当な大きさだったに違いない。
4-3で迎えたラストエンド。最後の最後にミュアヘッドの一投が僅かにズレたため日本のNo.1ストーンが残り、1点のスチールとなったのだった。もしも弾き出されていたらイギリスが2点を取って銅メダルはイギリスとなったという際どい勝負だった。
予選リーグの結果から予選敗退もあった中で、アメリカの敗戦によって辛うじて予選突破した運の強さもあった。カーリング自体が選手の調子や氷の状況に左右される「運」の要素が少なくない競技だけに、運を味方につける事も勝利には必要だ。苦しい戦いの最中でも彼女らは笑みを絶やさなかったのが印象的だったが、最後の最後に勝負の女神も微笑んだ。
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ジャンプ女子の高梨沙羅もメダル獲得。ひと時W杯優勝を独り占めしていた彼女だったが、ライバルであるノルウェーのルンビやドイツのアルトハウスの技術的進化により、直前まで振るわなかった。本番でも彼女らの進化はホンモノだったと思わせる結果に高梨はその次の順位に留まった銅メダルだったが、何よりまだ彼女は若い。次がある!
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500m女子で悲願の金メダルを獲得した小平奈緒。それまで良い結果が出ず、単身オランダへ行って大胆なフォーム改造に挑み、それを見事に会得してオリンピックレコードで優勝という絵に描いたようなストーリー。ライバルで親友でもある韓国のイ・サンファの肩を抱き、泣きじゃくる彼女の健闘を讃えた姿は全世界の感動を呼んだ。
そこには開幕前から有象無象が跋扈するくだらないオリンピックの政治利用の思惑なんざをものの見事にぶっ飛ばした光景があった。
記録として日本選手のメダル獲得を記しておく。
【金】
500m女子:小平奈緒(オリンピックレコード)
フィギュア男子:羽生結弦(オリンピック2連覇)
パシュート女子:高木菜那、高木美帆、佐藤綾乃、菊池彩花(オリンピックレコード)
マススタート女子:高木菜那(初代女王)
【銀】
1000m女子:小平奈緒
1500m女子:高木美帆
フィギュア男子:宇野昌磨
ノルディック複合男子:渡部暁斗
スノーボードハーフパイプ男子:平野歩夢(2大会連続)
【銅】
ジャンプ女子:高梨沙羅
モーグル男子:原 大智
1000m女子:高木美帆
カーリング女子:本橋麻里、藤澤五月、吉田夕梨花、吉田知那美、鈴木夕湖(初メダル)
Congratulations ‼︎
お疲れさまでした〜 ‼︎
そしてパラリンピックも頑張れ〜!
衆議院解散前後からこの一週間あまり、政界を取り巻く状況が日々刻々驚く程の変化を見せている。
時系列を追うと、まず9月25日、それまで若狭氏と細野氏とで取り組んでいた新党立ち上げ準備が思うように進んでいない事に業を煮やし、小池氏は会見を開いて「希望の党」という党名発表と「リセットする」という得意のセンセーショナルワードで自らが代表に就いた。
そして2日後の27日に14名の議員と共に結党会見に至るのだが、実は水面下でその前日の26日に民進党の前原代表と合流の合意をしていたのだった。かくして民進党の衆院議員は解党同然となり、立候補予定者は希望の党の公認を得て立候補すると思われた。
そして28日、臨時国会が召集されたものの、モリカケ問題も北朝鮮問題も審議されないまま冒頭解散となり、前原代表は民進党の議員総会に於いて「どんな手段を講じても安倍政権を倒す。名を捨てて実を取る」と訴え、民進党からは公認候補を出さないとした。
ところが解散から明けた29日、小池氏は「民進党から全ての人を受け入れる気はさらさらない。排除はします」と発言、民進党左派(護憲=リベラルではないので敢えてリベラルとは記さない)は無所属出馬を強いられる事になった。希望の党は議員の就活互助会ではなくなった。
だが、「遠慮いただく」ならまだしも、この「排除する」というセンセーショナルワードはいただけない。この言葉によって、それまで彼女の作って来たジャンヌ・ダルク的イメージが覆る事態にもなりかねないだろう。
返す刀で30日、今度は「三都物語」と称して松井大阪府知事、大村愛知県知事と選挙での連携を結び、大阪では希望の党から候補者は立てないとまで宣言したのだった。これって彼女が否定していたはずの「しがらみ」そのものじゃかなろうか?
小池氏による事実上の民進党左派潰しの様相を呈して来たが、事態はこれでは終わらなかった。今度は枝野代表代行による新党「立憲民主党」が立ち上がって、希望の党に排除されるであろう民進党左派の受け入れを表明した。
これにより旧民進党の立候補予定者は、希望の党の公認候補(細野氏、長島氏、松原氏、玉木氏など)、無所属候補(前原氏、野田氏、岡田氏、江田氏、安住氏など)、立憲民主党の公認候補(枝野氏、菅氏、長妻氏、赤松氏、辻元氏など)という色分けとなった。
・・・・・・・
10月10日の公示までわずか一週間のこの時期にここまでのドタバタ劇は前代未聞であろう。小池氏は過半数超えとなる233の候補者を立てて政権奪取を狙うと言っているものの、自らは頑なに出馬はしないと言っている。ならば、万一希望の党+野党連携であれ過半数の議席を獲った場合、首班指名を誰にするかという問題となる。ま、その時は辞職議員でも出してその補選に出るという手もあるし、逆に過半数に届かない負け戦の可能性がある限りは都知事のポストを投げ打って出るはずもなかろう。もちろん緑のたぬきゆえ、それもどうだか分からんが。
一方の自民党は、特に改憲こそが何よりの悲願である安倍氏は、希望の党の出現で改憲勢力の増加が望めるし、改憲議員が2/3に達するのなら自民党以外の議員でも一向に構わない。むしろ加憲だナンだと口うるさい公明党の顔色を伺わなくても済むのだから、肚ではほくそ笑んでいるに違いない。多少自民党の議席が食われても改憲勢力が増えれば良いのだから、安倍氏としては楽な選挙である。
希望の党勢力が過半数に至らなければ、機を見て小池氏は相当数の議員を引き連れて希望の党を割り、自民へ合流するかもしれない。そして改憲発議に協力した功績でポスト安倍として初の女性総理大臣となるのが彼女のゴールではなかろうか。決して荒唐無稽な展開とも思えないが。
・・・・・・・
ここからは私見。
もうすぐ希望の党の公認候補が発表されるだろうが、立憲民主党の公認候補といい、この顔ぶれが本当にこの国の舵取りを任せていける政権交代勢力と言えるだろうか?
あっさりと自民党を裏切った政治家見習いを脱せない若狭氏、安保法案反対が掌返しの路チュー細野氏、追求相手から献金を受けていた玉木氏、言わずと知れたパヨク辻元氏などなど。そして自ら船に穴をあけるような船長前原氏に任せられるだろうか?
マスコミも小池氏に乗せられてその話題ばかり。小池ブームと言ってもせいぜい東京だけで、地方ではほとんど盛り上がりもないと聞く。何より彼女のミエミエの権力欲の片棒を担ぐ有権者の一人であっていいのだろうか?
国際情勢、国内問題を鑑みるにつけ、元来、強大なものに反旗を翻して挑戦する革新勢力好みの私であるが、今は保守に一票を投じて舵取りを委ねたいと思わざるを得なくなったのが本当のところである。