一週間のブランクを空けても事態は変わらなかった。もっとも相手は精密機械だからして変わるワケもない。帰京後、期待を込めて起動しても結果は同じだった。カミさんに訊く。
「ネットとメール、おかしかっただろ?」
「うん。何度やっても接続できなかった」
それだけではない。アプリケーションのショートカットがことごとく動作しない。ならばと本体の起動ファイルを直接クリックしても開かない。もはや開くのはオフィス関連ファイルと画像ファイルだけとなっていた。
以前からノートンアンチウイルスは入れていたのだが、どうもうまく機能していなかったらしい。期限切れをきっかけに
「ウイルスバスター」に乗り換えた。このソフトはてきぱきと気持ちよく働く。やっと正常になったかと思いきや、しばらく経ってこれも起動しなくなった。コンフリクトというダイアログが出たが、それが何のアプリのせいかわからない。その間にも有象無象のウイルスやスパイウェアの攻撃に晒されたらしく、やっと新バージョンにアップグレードしてスキャンした時すでに遅く、なんと数百のファイルがウイルス感染と判別され、隔離されてしまった。
感染は必須ファイルらしきものにも及んでいて、それが隔離されたらアプリがまともに動作するはずがない。手動で元に戻してもすぐに再隔離される。終いにはディスクのフォーマットさえできなくなり、最後の手段だったOS再インストールも不可能となった。かと言って、今週みたいに会社のPCでサイト更新するのもおっくうだ。もはやグリコ・・・お手上げである。
「困ったな。幸い外部HDDに主だったファイルはバックアップしてあるから、後はPC本体をどうするか、だ」
「どういうテがあるの?」
「面倒くさいのはオレもイヤだから・・・手軽で一番安いのは本体HDDの交換だけど、OSのアップデート等にどえらい手間がかかるよ」
「次は?」
「いっそのこと、最新のノートPCを買う。これなら今すぐにでも復旧する」
「ふ~ん。それがお手軽なら、それでいいよ」
という事で、いつもの大型電機店に突入。今まで見向きもしなかったA4サイズのノートPCの売り場へ。本来の機動性などこれっぽっちも考えていないような、見るからにデザイン重視の大型ノートPCが陳列してある。
ノートPCと言えばこんな思い出がある。
私がPCをやり始めたWindows3.1の頃、当時では最速CPUだったPentium90MHzとTFT画面を搭載し、メモリを16Mに増設した台湾製のノートPCを、必死にカミさんを説得して40万円超で購入した。まるで天下を取ったような嬉しさに、これさえあれば軽く10年は現役バリバリマシンだとさえ思ったほどだった。
そんな妄想はすぐにムダな事だと悟ったが、今改めて見回わしてもA4なら最強機種でも20万円台だ。昔よりはるかに部品が安価になったためだろうか、手軽に部品の替えが利かないノート機より、部品ごとにアップグレード可能なタワー型のデスクトップ機の方が高スペックでリーズナブルだと言われた時代はもう過去のものになったようだ。第一、私はデスクトップ機の部品交換などした事もないし、交換といっても今はマザーボードごと交換しなくてはならないので結局大ゴトになってしまう。
居並ぶノートPCを価格重視で見ていたが、その中で目に入ったのがAMDのデュアルコアCPU搭載機
「NEC LaVie LL570/GD」だった。これでメモリを1GBにすればかなりのスペックになる。価格も14万円台だ。わずか2年前に買ったのに、今回オシャカになったDELLの20万円超のデスクトップ機よりも間違いなく強力マシンである。
カミさんに他を見て回らせている間に店員とQ&Aを交わしつつ「今はノートで十分なスペックが得られるし、価格も高くはない。これからはオールインワンのノートPCを丸ごと買い換えていくという時代になるんだな」としみじみ感じた。時代は変わったのだ。
というワケで、半ば衝動買いしたノートPCでこのDiaryを書いている。外部モニタは不要なくらいクッキリ明るい。キーボードもテンキーが無いくらいで大きさも今までのとほとんど変わらない。このままで十分かも。
今日の反省・・・また安易にお金で問題解決してしまった。ホントに堪え性が無くなった。