ケイロウノヒ
ニュースでも「どの年齢から高齢者だと思うか?」なんてアンケートを取り上げていたが、回答者の5人に2人以上が「70歳から」と答えたそうである。思えば40〜50年前は「高齢者」というワードもなく、老人ホームや老人保険とか「老人」という言われ方が一般的だった。そしてその老人は概ね60歳以上をイメージしていたのを覚えている。それは自分にとって想像もつかない遥か彼方の時間そのものだった。
近年は医学の進歩だろうか、人生80数年時代である。そうなると60歳くらいではまだまだ老人というカテゴリーには含まれないだろう。いつの間にやら遥か彼方の時間の先へ辿り着いてしまい、年明けには還暦を迎えてしまう、かくいう私自身もそんなイメージはとてもじゃないけど持てない。お店のお客さんからも「おにいさん」としか呼ばれないしー。
「老人」から「高齢者」へよりソフトな呼び名に変わったにも関わらず、アンケートの集計でもそんな時代の変化を端的に表していると言えよう。
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そんなワケで還暦を迎える私、何かお祝いの品をと珍しく我が家の財務省から予算執行の許可が出た。出たはいいが、記念品として色々と思い巡らしてもなかなかいい案が浮かばない。「いいあんと言えば的場の小倉あん(古ッ!)」とばかりに結局は趣味の品、すなわちアコースティックギターに行き着いたのだった。
しかし一口にアコギと言っても、我が家にはすでに40年来の憧れだったMartin D28M、エレアコとして半額セールで買ったFender CD-220CEの他、ヤフオクなどで買った有象無象の中古アコギが数本いる。そんな中で選択肢となり得るのは、気軽に取り回せるコンパクトギターしかない。もちろん予算に糸目をつけなければ欲しいフルサイズギターはいくらでもあるが、しがない高齢労働者ともなればそんなゼイタクは通らない。
限られた予算、取り回しが良く音も良いアコギ。これをキーワードに思いを巡らせれば、浮かぶのはLittle Martin、TaylorのBabyかGS miniシリーズ、国産で評価の高いK.Yairiあたり。
ネットで該当製品のラインナップやマテリアルを調べ、You Tubeで音を聴き比べる。ここまで一歩も外へも出ずに事足りる時代というモノを感じつつ。当然ながら楽器は筐体が小さくなるほど音質が軽くなり、残響も少なくなるので、いわゆるミニギターではどうにも音がチャラいのが耳についた。よって、ターゲットはミニではなくコンパクトサイズのギターに絞る事とした。
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そんな紆余曲折の末に最終候補をTaylor GS miniとK.Yairi RFシリーズとし(ホントはMatonというハイグレードなコンパクトギターもあったが、いかんせん軽く20万円越えなので断念!)、実物を見に楽器店へ。
豊洲のS楽器では藤原竜也似のバイト君と色々話をし、展示されていたK.YairiのRFシリーズを試奏したところ、思ったよりも鳴りが良く、ならばスプルース単板+オヴァンコール単板のRF-K13とスプルース単板+ローズウッド合板のTaylor GS mini-eの試奏を希望し、入荷連絡を待つ事にした。
その間に訪れた新宿のY楽器はTaylorギターが一室にフルラインアップされ、かつK.Yairiも豊富に揃っているお誂え向きのお店なので、特に大きさを比べるにはもってこいだった。K.YairiはRFシリーズに加え、この店オリジナルのYF0018とより小型のYFP-01を比べたが、小型ボディの割に胴厚が厚い事に気付き、取り回しの点で疑問が出た。続いてTaylorはGS miniとBaby Taylorを比べたが、明らかに音量、音質の点でGS miniの方が上回っていた。
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という事で、私の気持ちはGS miniに固まったが、問題は材質だった。
スプルース表板+ローズウッド側裏板は何度も何度もYou Tubeのデモを聴き比べてベストだと思うが、すでに持っているMartinと基本的に同じ組み合わせ。それよりもやや乾いた感じだが、ウクレレほど軽くなく心地良い音質のオールコア板と最後まで悩んだ。素晴らしく魅力的であるが、幸か不幸かY楽器にはローズウッドモデルは置いてなく、オールコアモデルしかなかったのでお買い上げはペンディングとなった。
それから数日、S楽器からの入荷連絡を受けて試奏に赴いたのが15日。この日は4回目の膀胱内視鏡によるフォロー検査だったが、今回も異常なしの診断を受け、ルンルン気分で車を走らせたのだった。
ローズウッドは環境保護の観点から新たに規制を受ける材料となったため、GS mini-e Rosewoodは2016年で生産終了となっていて、市場在庫が決して豊富にあるわけじゃない。S楽器の総力を挙げて(?)入荷された2本も他店で展示販売されていたものらしく、一本目はボディ底の1ヶ所にわずかなキズがあったが気になるほどではなかった。もう一本は表板とネックの2ヶ所にキズがあり、これは少し目立っていたので、選択肢は必然的に決まっていた。
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Taylorギターに張られている弦は、煌びやかな音と長持ちコーティングで高評価のElixir(エリクサー)なので、帰宅して弾き込むと眠っていた音がさらに魅力的に蘇った。さすがに手元のMartinやFenderのフルサイズギターには及ばないものの、目を瞑って聞く限りはコンパクトギターの音にはちょっと聞こえない。こりゃいい買い物だったと言える。
さっそく弦高を下げるためのTUSQのサドルとドットインレイシールなどを発注。手軽にカスタマイズに踏み切れる気軽さもイイね。
来月、1年ぶりに参加する前社旧部署のキャンプにFenderに代わって持って行こうと思っているが、その頃には今月解散が予定されている衆議院選挙の結果も出、次の日本の政治事情のカタチも決まっている事だろう。
そこには他人にキツく自分に甘い「不倫ガソリーヌ志桜里」、「このハゲ真由子」の面々が消えている事を期待する。
あ、そうそう、消えて欲しい税金ドロボーはまだいたわ。「不倫重婚キング俊直」と「暴言クイーン小百合」&「失言クイーン朋美」もね。