これも「高齢者」ゆえ❓
外来で定期受診もしているので、もはや施設も病室も勝手知ったる状態で不安もない。案の定、トイレ付き個室は前回と同じ部屋だった。
翌日午後、オペ室に呼ばれ、手際よくバイタル装置などを装填されて行き、手の甲の静脈ラインが出来たところでセットアップ完了。
ここでいつも寝落ちできるか少し心配になるが、心配してるそばから毎回しっかり寝落ちしているから今日も大丈夫だろう。
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気が付くと病室。目覚めもしっかり。バルーンカテーテルもいつもの私の要望で通常より細いものが充填されていた。あとは回復を待つのみ。
ところが…。
術当日から翌日を経過するも、オシッコが溜まっていかない。これはいつもと異なるから、差し詰め出血で尿道が狭窄か閉塞したためだろうと構えていたが、エコーでは膀胱に全く尿が溜まっていない事が判明。
ならば、その上の腎からの尿管にカメラを入れたため、一時的に尿管が浮腫んで尿が膀胱へ降りて行かない、結果的に「水腎症」とも想定されたが、これもなさそう。
となれば、いよいよ最上流の腎そのものが尿生成を停止してしまった事となる。ここで腎臓内科へ正式コンサル。最終的に「薬剤性腎障害」となった。
おいおい、これまでの人生で腎障害を起こした事もないし今まで何度もここで手術を受けて使われる麻酔薬や抗生剤だって問題はなかったのだ。もちろん薬剤アレルギーもない。
いずれにしてもオシッコが出ないというのは由々しき事態だと私にも解る。点滴を継続しても術翌日も出ない。その次の日も出ない。
こうなると腎臓内科の先生は「透析処置」と言う。聞けば、首にカテーテルを刺して静脈血を濾過して動脈に送るという。
ガンダムやキカイダーじゃあるまいし、そんなところに太いカテーテルを刺してどうしろと言うのか‼️ 生涯一と言っていい絶望に苛まれて術後3日目の夜を迎えた。
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そうしたら膀胱炎の出血による血尿ではあるが、いきなり25ccほどオシッコが出たのだった。点滴をしているので1時間も経つと次の尿意が来るが、次は50cc、100cc、150ccと増えて来たではないか‼️ ついに尿生成が再開されたのだった。
翌朝、その話を主治医回診の時に話したら主治医T先生の喜ぶまいことか‼️ あの冷静で営業トークの一つも言えないT先生が2度も握手をして来て「良かったァァァ‼️」と叫んで壁を背にして座り込んだ程だった。
だが、3日間も尿排泄がストップしていた間のツケは大きく、血清クレアチニン値が3→5→6へと悪化していた。生涯1を超えた事すらない私にはこれもショックだった。
尿量は相変わらず順調なので、術後4日後の今朝の採血による血清クレアチニン値の変化によって透析処置となるかどうかが決まる死刑宣告がなされるのだ。
腎は透析されるとサボるから結局生涯透析が必要になるとか、ならば拒否すれば死を待つしかないとか、ますますネガティブな考えが浮沈する。
この時、人間は絶望的な結果があるかもしれない事態に直面すると、敢えてそう告げられた時の心持ちを先回りして想像し、出来るだけショックを緩和させる方向に持って行こうとするのを知った。
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そして早朝に採血した結果を元に内科の先生が来室。緊張は極限に達した。
「尿量も十分だし、透析はしないで良さそうですね」
この言葉を100年待ってたよ~‼️ 先生ありがとう~‼️
透析回避バンザーイ‼️ いっぺんで景色が明るくなった~‼️
今週末までは点滴はこの量(2L/日)で維持し、週明けから減量していくとの事。概ね1時間毎に来る排尿量測定と飲水も続けるようにと。
喜んで~‼️
それほど透析回避が嬉しかった。
具体的な退院日は明らかではないものの、この調子なら数日もあればやって来ると思う。
薬剤性腎障害も初の体験だが、これも「高齢者」ゆえのリスクだったのかな。安堵